平成 9年第一部決算特別委員会
            札幌市議会第一部決算特別委員会記録(第7号)
                平成9年10月20日(月曜日)
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●議題 付託案件の審査
●出席委員 33人(欠は欠席者)
    委 員 長  中 嶋 和 子 君       副委員長   原 口 伸 一 君
    委   員  小 谷 俵 藏 君       委   員  室 橋 一 郎 君
    委   員  佐 藤 美智夫 君       委   員  常 本 省 三 君
    委   員  宮 本 吉 人 君       委   員  村 山 優 治 君
    委   員  千 葉 英 守 君       委   員  伊 藤 知 光 君
    委   員  三 上 洋 右 君       委   員  佐々木   肇 君
    委   員  笹 出 昭 夫 君       委   員  新 山 やすし 君
    委   員  鈴 木 健 雄 君       委   員  勝 木 勇 人 君
    委   員  岡 本 修 造 君       委   員  澤 木 繁 成 君
  欠 委   員  富 田 新 一 君       委   員  加 藤   斉 君
    委   員  川口谷   正 君       委   員  大 西 利 夫 君
    委   員  小 野 正 美 君       委   員  常 見 寿 夫 君
    委   員  丹 野   勝 君       委   員  小 田 信 孝 君
    委   員  柿 崎   勲 君       委   員  高 橋   功 君
    委   員  高 橋 重 人 君       委   員  生 駒 正 尚 君
    委   員  横 山 博 子 君       委   員  山 口 た か 君
    委   員  福 士   勝 君       委   員  菅 井   盈 君
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       開 議 午後1時

○中嶋 委員長  ただいまから,第一部決算特別委員会を開会いたします。
 報告事項でありますが,富田委員からは欠席する旨,田中委員からは菅井委員と交代する旨,それぞれ届け出がありました。
 それでは,議事に入ります。
 第9款 教育費 第9項 社会教育費の質疑を行います。

◆鈴木 委員  私は,昨年の決算特別委員会におきまして,PTAが学校・地域・家庭をつなぐ役割を果たすよう,その活動を一層活性化させ,地域全体で子供たちをはぐくんでいくべきではないかとの観点から質問をいたしたところでございますが,今回は,特に,子供たちの心をはぐくむ原点とも言える家庭教育のあり方について焦点を当て,質問をいたします。
 今日,我が国は,経済的豊かさを享受する一方で,価値観の多様化,都市化,核家族化,少子化,高齢化など,著しい変化を遂げているところであります。さらには,マスメディアの発展,そして,はんらんする情報により,消化不良を引き起こすとともに,中には,子供の発達において極めて有害なものもあるなど,多くの問題をはらんでいるところであります。
 さらに,性の商品化などといった問題もありますが,こういった背景の中で子供たちの健全育成を考えるとき,家庭での教育はますます重要な役割を担っていると言えます。
 しかしながら,現実の家庭におきましては,親の子供に対する過度な期待感と理解の不足が子供との間に大きな溝をつくり,家庭内暴力などさまざまな病理的な現象を生み出しているのも事実であります。
 また,親たちも,育児や教育に悩みを抱えながらも,核家族や親同士の人間関係の希薄化から,その解決の糸口をつかめずに,自信を失っているケースが多くなっているとも聞いているところであります。
 このたび,国において,この夏から急遽「[子どもと話そう]全国キャンペーン」を展開した事情も,親を初めとした大人たちが子供の心を十分理解しておらず,このことが,このたび神戸で起きたショッキングな事件を初め,さまざまな教育問題や社会問題を生み出す大きな要因であるとの認識に立つものではないかと思われます。
 本市においては,児童に関する諸施策を進めるとともに,家庭における親の教育力を高めることを目的とした家庭教育学級事業が行われているところでありますが,まず,質問の1点目として,現在の家庭教育学級事業がどのような形で運営され,どのような活動が行われているのかお聞かせを願いたいと思います。
 また,親同士が学び合うとともに,親子が相互に理解を深めることも大きな課題であると考えますが,親子の触れ合いを積極的に推進する事業として,本市でどのようなものが実施されているのかお尋ねをいたします。

◎石原 社会教育部長  まず,1点目の家庭教育学級の事業内容についてでございますが,この学級開設の要件といたしましては,小学校と幼稚園のPTAを対象として,各校ごとに20名以上の参加者で学級を構成してございます。参加者の自主的な学習活動を通しまして,家庭における教育力の向上を図ることを目的に,年間20時間以上学習することになっております。
 学習内容につきましては,家庭における教育のあり方,親の役割と責任,子供の人格形成と心理などを主なテーマとしておりまして,特に,小学校では,いじめや不登校の問題,幼稚園では,心身の発達や子供の心の理解についてなど,子供の成長段階に応じた課題が多く取り上げられております。
 平成8年度におきます実績といたしましては,141 の小学校,37の幼稚園において,合計178 学級が開設されておりまして7,370 人が参加したところでございます。
 2点目の親子の触れ合いを推進する事業についてでございますが,子供の心の教育が問われている現在,家族や親子の触れ合う機会が一層必要となっている状況でございます。
 教育委員会といたしましても,家庭教育学級において,青少年山の家で1泊2日の父と子の体験学習を開催しておりますほか,学校図書館地域開放事業,ファミリーフェスティバル事業,青少年科学館での親子を対象とした各種教室などを実施してございます。さらに,市長部局におきましても,さまざまなテーマで親子の触れ合い事業を行っているところでございます。
 また,PTAにおきましても,平成8年度から,子供を取り巻く課題に対しまして,地域で積極的に取り組むため,区を単位といたしまして,さまざまな活動を展開していただいておりますが,中でも親子の触れ合いに重点を置いた自然体験学習や音楽会,映画鑑賞会,親と子の交流会といった事業が積極的に実施されてきているところでございます。

◆鈴木 委員  ただいまのお答えで,家庭教育学級あるいは親子の触れ合い事業の概要はよくわかったところでありますけれども,現在の家庭が抱えるさまざまな問題や家庭環境の変化を考えるときに,まだまだ不十分な内容であり,その内容を見直し,拡充していく時期にあるものと考えます。
 そこで,そのような観点から,具体的な提言を含めて,何点か質問をいたしたいと思います。
 まず,家庭教育学級は,親が自発的な学習を通して,情報交換や家庭教育の役割について理解を深める場として意義あるものと考えますが,現在は,学級開設の対象が幼稚園と小学校のみであり,中学校は対象となっていないとのことであります。
 中学生を持つ親の悩みは一層複雑であり,深刻であります。中学校まで,その対象を拡大すべきものと考えますがいかがか,お尋ねをいたします。
 また,家庭の形態も多様化しており,従来のような専業主婦しか参加できない事業内容を改め,働く親たちに焦点を当てた事業も開設すべきと思いますがいかがか,お尋ねをいたします。
 3点目としては,父親に焦点を当てた事業の実施についてであります。
 家庭での父親の役割については,今さら申し上げるまでもありませんが,現実には子供の教育は母親任せという家庭が多いのではないかと思います。2番目の質問とも関連をいたしますけれども,父親が積極的に参加できる事業をぜひ計画すべきと思いますがいかがか,お尋ねをいたします。
 そして,最後に親子の触れ合いを念頭に置いた事業の拡充についてでありますが,家庭教育学級を通して,親同士が悩みを語り合い,課題について学習する一方,親と子がともに実践的な活動や体験を重ねることにより,相互の理解を深める機会をつくっていくべきと考えます。
 特に,本市は豊かな自然に囲まれておりますので,野外活動を通して,親子の体験事業を一層拡充すべきと考えますが,ご見解をお伺いいたします。

◎石原 社会教育部長  1点目の家庭教育学級の中学校での開設についてでございますが,ご指摘のように中学生の親御さんの中には,家庭や教育上での不安や悩みを抱えておられる方が数多くおられます。さまざまな課題を学び合う場や機会を設けまして,思春期を迎えた子供への理解を深めていくことは非常に大切なことと考えております。
 今後の開設に当たりましては,引き続き中学校でも学習を続けたいという親の声もございますので,これらの親御さんのニーズを十分考慮して,中学生の子育ての課題に即した学級形態や学習内容を取り入れるなど,中学生を持つ親を対象とした家庭教育学級の開設を検討していきたいと考えております。
 二つ目の働いている親たちを対象とした家庭教育事業についてでございますが,現在の家庭教育学級の活動は,日中,学校を会場として学習することが多いということで,働いている親御さんには大変参加しづらい状況にございます。
 特に,核家族化や少子化,女性の社会参加が進み,共稼ぎの家庭が多くなっている社会状況を踏まえまして,働く親を対象とした家庭教育の学習機会を充実していくことは大変重要な課題と考えております。
 そこで,働く親御さんの企業や関係者のご理解やご協力をいただきながら,今後,開設場所や学習時間を考慮した新しいタイプの家庭教育講座の開設に向け,検討してまいりたいと考えております。
 3点目の父親の家庭教育事業への積極的な参加についてでございますが,子供たちが,複雑な社会の中で,豊かな人間性やたくましさを身につけていくためには,今日,父親の存在というものが大きく問われております。
 そこで,お父さんによる子育て体験発表会などの開催を通しまして,父親が積極的に家庭教育について学び,その役割について認識をより一層深める場をつくってまいりたいと考えております。
 最後に,野外活動を通した親子触れ合い事業の拡充についてでございますが,青少年山の家を初めとする既存の野外教育施設におきましては,学校以外に家族の方にも多数ご利用いただいているところでございますが,さらに来年6月には,家族を主な対象とした野外教育施設として,札幌市定山渓自然の村がオープンいたします。
 自然環境に恵まれましたこの施設で,四季折々の自然を生かしたレクリエーション活動など,親子で楽しんでいただける野外活動プログラムについて,現在検討しているところでございます。
 今後,学校5日制の完全実施などによりまして,ゆとりの時間が多くなってまいりますので,親子が野外活動を通しまして,触れ合いをより一層深めていただくように,PTA活動などさまざまな機会をとらえまして,そのPRにも努力してまいりたいと考えているところでございます。

◆鈴木 委員  最後に要望させていただきますけれども,ただいまのご答弁で,教育委員会としても,時代の要請に応じた新たな家庭教育事業に向け積極的に取り組むとの姿勢が伺われ,今後の展開に大いに期待をするところでございます。ぜひ,早期に具体的な施策を実現していただきたいと思います。
 ただ,その実施に当たりましては,親同士の学習にとどまることなく,例えば,家庭教育学級に教師も積極的に参加して意見交換を行うとか,家庭教育事業での学習成果をPTA活動等の実践的な活動に生かしていくなど,学校・家庭・地域それぞれが持つ教育力を相乗的に高め合い,補い合って,より広がりを持った事業展開を図っていくことを最後に強く要望いたしまして,私の質問を終らせていただきます。

◆小野 委員  私は,ミニ児童会館と留守家庭児童対策について質問をしたいと思います。
 まず最初に,ミニ児童会館についてですが,この事業は,本市の初めての取り組みとして,ことしから行われて,この9月1日に市内2カ所,南小学校と菊水小学校で開設をされたわけです。
 ご承知だと思いますが,9月29日の北海道新聞の社説の欄に,「楽しいぞ!空き教室の児童館」と,こういう見出しで評価されていました。
 その社説の最後には,「豊かな心を育てるため,大勢の子供たちを遊びに誘う『ミニ児童会館』のような取り組みをもっと広げたいものだ。」というぐあいに評価をされているわけで,大変注目をされていると。
 私も,所属する文教委員会として,ぜひ視察をしたいものだと思っているわけですが,今日まで残念ながら実現できませんでした。
 しかし,今回こうして特別委員会で質問をするに当たって,まず,実際に現地を見てみないことには質問できないだろうという思いで,委員会の休会日でありました先週の14日に,急ではありましたけれども,私どもの会派の先輩議員と一緒に,南小学校のミニ児童会館を見せていただきました。
 3時ごろに伺ったわけですけれども,その日は,ちょうど学校の先生方の研修会ということで,午前授業で,昼過ぎてから子供たちがたくさん集まってきていたようです。
 実際に受け付けの名簿がありまして,それを見せていただくと86人が名前を書いていまして,この小学校は全校生徒419 人ですから,約2割がこの日,そのミニ児童会館を訪れていたというわけですね。
 見ますと,1年から6年までいるわけですが,1年から3年までの低学年よりも,4年から6年の高学年の子供たちがたくさん来ていたわけです。
 二つの教室をミニ児童会館に充てているわけですが,一つは,教室の3分の1ぐらいのスペースが指導員の方の事務室という形で,机やコピー機などが置かれていました。
 そこの部屋は,静的な場所といいますか,塗り絵をしたり,あるいは本を読んだり,そういう過ごし方をしている部屋でした。もう一つの部屋は,ビー玉があったり,おはじきがあったり,剣玉があったり,将棋盤が置いてあったり,比較的動きのあるプレールームですね。そういうものがありまして,さらに,廊下を経て,体育館も使用して遊べるということで,体育館に目を移しますと,非常に多くの子供たちが卓球をやったり,バスケット,ドッジボール,バドミントン,体育館いっぱいになって遊んでいる姿を見ました。
 ミニ児童会館は,従来の児童会館と異なって,授業が終ったら,真っすぐかばんを持ったまま,遊びの場であるミニ児童会館に向かうことができると。
 この点については,さきの社説の中でも「いったん帰宅した後に遊びに行くようにすべきだという意見もあるだろう。だが,今の子供たちは帰宅してしまうと,テレビゲームなどの世界に閉じこもってしまいがちだ。学校内の児童会館は,こうした子供たちを,帰宅前に『遊び場』に引きつける試みとして,大いに注目に値する。」と,そういうぐあいに社説でも述べているわけで,私も率直なところ,そういう感想を持ちました。
 例えば,留守家庭の子供たち,この南小学校では,いわゆる育成会方式で留守家庭児童対策も行われて,13人ほどの登録児童がいたわけですが,どうしても留守家庭の子供たちだけだと,授業が終って,何か特別な存在として子供たちだけがその場所に行くと,そういう状況に比べて,本当にクラスの仲間と誘い合ってミニ児童会館にストレートに行くという,違和感のない,本当に友達同士が遊びに行く場所という印象を持ったわけです。
 今後の取り組みの課題も含めて,二,三質問させていただきたいと思います。
 9月から始まったわけで,一月半ほどたっているわけです。私が行ったときは約2割の子供たちが来ていたわけですが,多いときはまだたくさん来て,もう本当に大変だという話も伺いましたけれども,そういった利用状況について。
 それから,そうした中で,子供たちにいろんな変化が生じていると思います。私も,校長先生などからお話を伺いましたが,ここの小学校は一つの連合町内会が一つの小学校の校区になっていて,例えば,連合町内会で町内会対抗の子供たちのドッジボール大会を毎年行ってきたのだけれども,なかなか子供たちが集まらなくてチームができないという苦労が今まであったが,ことし10月の大会のときには,すぐ町内会ごとのチームができたと。子供たちが日常的に町内会単位といいますか,そういう上下の6年生から1年生までのつながりができていて,まとめ役も生まれて,町内会単位のチームができたのだと,そんなお話を伺いました。
 そんなことも含めて,ミニ児童会館の中で子供たちにどういう変化が生じてきているのか。例えば,学校の先生方との関係,あるいは地域とのつながり,連携,そういったことについてお伺いをしたいと思います。
 次に,ミニ児童会館の今後の計画でありますけれども,児童会館100 館構想といいますか,今,手稲区の金山地区に建設されていまして,間もなくオープンをする。これで100 館目を迎えるわけです。そういう1中学校区1児童会館という一定の整備がなされている中で,ミニ児童会館が今年度からのいわゆる現5年計画の中で11カ所設置をされると伺っているわけですが,今回の3定の代表質問で,私ども会派の方から,空き教室を利用するということが一つの前提となっていれば,例えば手稲区などを含めて,人口が急増していて,もう校舎が満杯になっている状態の地域では,こういうものが建設できないのではないかというような話もしたわけでありまして,各区のバランスなども含めて,今後,このミニ児童会館をどのようにして進めていこうとしているのか,その点お聞きをしたいと思います。
 それから3点目ですが,指導員の配置です。
 私も実際に見せていただいて,お話も伺いました。いわゆる,従来の児童会館の場合は,事務室から,体育室とかプレールームとか図工室とか図書室というのが大体一目で見渡せるというのですね。子供たちがどんなことをしているかが大体把握できると。
 ところが,ミニ児童会館の場合には,教室が二つに分かれています。さらには,体育館も利用できる。はっきり言えば,体育館があるからこそ,ミニ児童会館の意義があるのかなという思いもするわけですが,非常に広範囲になるわけですね。
 しかも,ぱらぱらぱらと子供が来るのではなくて,授業が終ったら,本当に一遍にまとまって来るわけで,そういった中で指導員の方の対応というのは非常に大変だと思います。
 お聞きしますと,基本的には,定員が2人だと。2人の指導員の方にこうしたミニ児童会館を見ていただくということで,ただ,財政的には3名の措置が可能になっていると。いわゆる,具体的には青少年活動協会に委託をしているわけですけれども,そういう話でした。
 ただ,実際に私が見ましたときは,体育館ではドッジボールの指導をしている指導員の方,卓球を教えてくれている方,バドミントンと3人いましたし,それから,大体1部屋に1人は必要なのだということで,二つの部屋から成っているわけですから,どう考えても定員2人の配置では困難と,しんどいと。
 この日もほかの児童会館から,たまさか午後,先生方の研修会があるので,午後すぐに子供たちが来ると,時間も長いだろうということで,ほかの児童会館から応援の指導員の方が来ていました。これは,幅のある運用としていいなという面があるのですが,いずれにしましても,今後,長期の休業中など,子供たちの安全確保も含めて,基本的に指導員2名の配置という考え方は早急に改めて,増員をしていかなければならないと思うのですが,この点どのようにお考えなのか,お聞きをしたいと思います。

◎平井 社会教育部参事  1点目の利用状況でございますが,9月分の利用状況を申し上げますと,菊水小ミニ児童会館では1,692 名,南小ミニ児童会館では2,566 名,1日平均しますと70名から100 名と,学年を問わず,たくさんの児童でにぎわってございます。
 委員お話しのように,授業が終ってから,真っすぐに利用が可能ということで,お友だちを誘って気軽に利用できるというようなことから,子供たちの放課後の新しい活動場所として定着しつつあるのではないかなというふうに考えております。
 それで,このミニ児童会館の開設によりまして,子供同士の新しい集団の形成とか,異年齢交流の促進というようなことが図られているようでございまして,ここで培われた触れ合いの輪というのが,平素の学校生活の場,あるいは委員お話しのように,地域のスポーツ大会などでも徐々に広まっているのではないかなというふうに感じております。
 次に,今後の計画でございますが,ミニ児童会館は,小学生の行動範囲とか,利便性に配慮をいたしまして,通いなれた小学校の中に設置するというものでございます。設置の基準といたしましては,児童会館が未整備の地域,そして,一定の児童数がいるということ,さらには,余裕教室あるいは多目的スペースが確保されている小学校というのを要件としております。
 したがいまして,現行の5年計画で10年度以降の整備につきましては,これらのミニ児童会館の整備要件に照らしまして,あるいは学校の施設の状況あるいは地域の状況,各区のバランス等に配慮いたしまして,これらを勘案しながら整備を進めてまいりたいというふうに考えています。
 それから,人員の配置基準でございますけれども,まず,子供の安全確保というものを第一に,また,このミニ児童会館がクラス単位あるいは学年単位で集中的に来館をする,あるいはその活動の範囲が広いというような特有の利用実態を分析しながら,適正な人員配置について,今後,十分に検証してまいりたいというふうに考えております。

◆小野 委員  今のミニ児童会館については,私どもの会派として,特に留守家庭児童のことも含めて,基本的に通学路などの事情を考えると,やはり小学校の施設あるいは敷地内,あるいはその隣接地に設置をしていくのが望ましいのだという話もしてまいりました。
 そういう点に合致もしますし,やはり今,少子社会ということで兄弟が少ない,そういった中で,異学年,異年齢の子供たちが遊びを通すことで自然に人間関係がつくり上げられるという点なども含めて,非常に意義のある事業として,今後積極的に取り組んでいただきたい。特に,区のバランスと言われましたけれども,当面11カ所設置をする中にあっては,各区に1カ所ずつはぜひつくっていただき,こういう事業のモデル的な形で進めていただいて,学校の先生方あるいは地域の人たちの認識を深めていただくようなことが必要でないかなと思います。
 それと指導員の配置のあり方についても,ぜひ財政当局含めてご努力をいただきたいと思います。
 次に,留守家庭児童対策,これもミニ児童会館の中にも,留守家庭の児童がともに参加をして,児童クラブと同じように連絡帳などがあるわけですけれども,留守家庭児童対策については,毎回のように我が党としても取り上げてまいりましたし,今回,3定の代表質問でも,大西議員が質問をしたわけであります。現在,本市においても機構改革といいますか,一体どこで留守家庭児童,放課後の児童健全育成事業を行っていくのかも含めて検討されていることは承知をしているわけですが,ご承知のとおり,今回,児童福祉法の一部改正の第6条において,放課後児童健全育成事業と。その目的の中に,従来の遊びに加えて,新たに生活の場を保障していくのだという目的を明記された条文が盛り込まれたわけです。
 従来からいろいろ議論がされまして,特にこの4月,手稲区金山に「金山わくわくクラブ」という共同学童保育所を町内の会館を借りて開設いたしましたが,私自身もかかわってまいりました。10人ほどなのですけれども,ある面では,町内会館ですから,炊事場もあって,非常に家庭的な雰囲気の中で一緒におやつをつくって食べたりとか,近所に買い物に行ったりとか,そういう中で子供たちが非常に楽しい豊かな放課後を過ごしているわけです。
 こういう学童保育所から,児童会館の児童クラブに移るに当たって,違いといいますか,落差が大きいものですから,非常にいろいろな面での不満とか,問題点の指摘がなされてきているわけですね。
 そういう中で,公的施設,あるいは公的責任で,本市は留守家庭児童対策を進めていくというのが基本になっているわけですが,そういった点で今回,法改正の中で,生活の場としての位置づけをどのように保障していくのか,つくり上げていくのかということが大きな課題だろうと思います。
 やはり生活の場ですから,児童会館の児童クラブに行っても,時にはちょっと体調が悪くて横になりたいという子供もいるだろうし,これは家に帰れば当然できるわけなのですけれども,そんなことをスペース的にも,あるいはソフトの面でもどのようにつくり出していくのか,現在,検討しているとすれば,ぜひそういう考え方についてお聞かせいただきたいと思います。
 それから,あわせて,やはり今,共働きといいますか,女性もどんどん社会進出していっているわけで,そういう面での子育て支援といいますか,午後5時までの利用時間ということで,5時になると帰ってもらうということになっているわけですが,実際に今,保育園では延長保育がもう当然のようになってきている中で,1年生なんかでしたら,なかなか自分ひとりで家に帰って,かぎあけて家に入っていなさいというのも辛い面もあるわけです。
 ましてや児童会館,通学路と異なったところに行って,そして,夜暗くなってから家に帰らなければならないわけで,親としては,ぜひ児童会館まで子供を迎えに行きたいという思いがあるわけですね。
 そういう面では,5時では到底無理なわけで,やはりこれも時間延長ということを考えていかなければならないと思うわけですが,この2点について,現在の考えをお聞かせいただきたいと思います。

◎平井 社会教育部参事  児童福祉法の改正に伴います本市の留守家庭児童対策についてでございますけれども,従前の健全育成にあわせまして,今後は,児童家庭福祉の要素を取り入れた施策が必要になるという認識を持っておりまして,ご指摘のありました生活の場や利用時間の延長などを含めて,今後,総合的に検討してまいりたいと考えております。

◆小野 委員  予想以上に簡潔なご答弁をいただきまして,いずれにしましても,これから機構のあり方も含めて検討されると思いますし,当然ながら今回の法改正に対応して,留守家庭児童の放課後健全育成事業ということが大きな課題でありますし,特に勤労女性,女性に限ることではないのですけれども,そういう勤労世帯の子供たちへの支援ということも含めて,開館の時間延長とか,あるいは生活の場を保障していくこと,ぜひその障害となっているといいますか,壁となっている事柄について率直に意見交換をさせていただきながら,早い時期にこれらのことが実現できますように,要望して終わりたいと思います。

◆小田 委員  私からのテーマは一つです。
 公立図書館,中央図書館,図書館の使命でありますけれども,公立図書館は良書を広く市民に提供するという使命を持っていることは間違いございません。
 この観点から,最近目に余る報道が目立っております週刊誌の取り扱いにつきまして,数点これから質問をさせていただきます。
 最初に,週刊誌の購入でございますけれども,いただいた資料によりますと,平成8年度の実績で,中央図書館及び地区図書館では,約20種類の週刊誌,冊数にしますと1,040 冊買っているということが資料に載っておりました。
 そこで,質問の1点目ですけれども,購入する場合には,どのような基準でこれらの週刊誌を選んでおられるのか。どのような手続,手順で収集しているのかをお伺いしたいと思います。
 それから2点目は,神戸の小学生殺害事件の報道についてでありますけれども,去る5月,神戸で小学生男子殺害事件が起きました。日本国中に大変大きな波紋を広げたわけですけれども,教育界にとりましても大変ショッキングな事件でございました。
 このような中で,ある週刊誌は,報道の自由を盾に,神戸小学生殺害事件の容疑者を実名,顔写真入りで掲載するなど,人権侵害あるいはプライバシーの保護を全く無視するような報道をしております。一連の報道は,社会的にも大きな波紋を呼びまして,厳しく非難されました。
 このような反社会的とも思われる報道をする週刊誌に対しては,公立図書館として,どのような対応をしたのかお伺いいたします。
 3点目は,その出版社の名前を公表していただきたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  ただいまのご質問にお答えいたします。
 まず,1点目の週刊誌の購入に関することでございます。
 図書館で購入する資料の選定につきましては,適正な資料収集を図るという目的のために,図書館資料選定会議要綱に基づき,中央図書館あるいは地区図書館の職員から成る選定会議等で協議し,決定をしているところでございます。
 この選定の基準でございますが,図書館資料収集要綱及び図書館資料選定要領に基づきまして,資料的価値の高い週刊誌を内容別,対象年齢別,性別等に応じて選定をしております。
 購入先につきましては,小売店を通じて継続発注をしております。週刊誌は内容の速報性が重要でありますので,最新号を早く収集すること,受け入れ冊数が多いため,欠号がないように留意をしているところでございます。
 それから,2点目の神戸事件に関するお尋ねでございますが,3番目の週刊誌というのは,具体的には,「FOCUS」「週刊新潮」の2誌でございます。
 この2誌につきまして,公立図書館としてはどういう対応をしたかということだと思いますけれども,この雑誌の発売前に,札幌市の地区図書館,中央図書館の全館長会議を開催いたしまして,国民の知る権利を保障すると,あるいは読む権利を保障するという観点と,もう一方の少年の人権侵害とのはざまに苦慮しながらも,協議の結果,7月3日付をもって,この2誌につきましては,当分の間,登録はせず,中央館長の保管とし,利用者に対しましては,閲覧・貸し出しを禁止するということを決定したところでございます。
 この理由といたしましては,本来,図書館というのは,すべからく資料を提供するというのが大原則でございますが,この場合,一つには,少年法61条に抵触するおそれが極めて高いこと。それから,二つ目は,図書館運営の基本的な指針となっております図書館の自由に関する宣言というのがございますが,この中に「人権またはプライバシーを侵害するものは,資料提供の自由が制限されることがある。」という条項がございます。この場合,これらに該当すると考えられたので,この措置をとったところでございます。
 なお,日本図書館協会というのがございますが,そこからも同様の趣旨の見解が示されておりますし,全国のほとんどの公立図書館でも,何らかの形でこの利用制限をしたところでございます。
 この結果に対する札幌市の図書館においての大きなトラブルというのは,ございませんでした。
 以上でございます。

◆小田 委員  今,館長の方から説明ございましたけれども,図書館の対応につきましては,わかりました。
 そこで,言いたいのは,反社会的なことをする出版社「新潮社」とはっきり今お話がございましたので,会社の名前申し上げますけれども,この出版社に対して,私はいろいろとこの後,質問したいのですが,例えば,わかりやすい例を挙げると,建設業界では,反社会的な行為を行った場合については,指名停止処分という営業停止,ペナルティーを科す事例があるのです。
 したがいまして,先ほども触れましたけれども,反社会的な行為を行った出版社に対しては,何らかの制裁を科すべきではないのかというふうに考えますが,この点についての答弁をお伺いいたします。

◎岩本 中央図書館長  具体的に「週刊新潮」に対してペナルティーを科せないかというお尋ねですけれども,図書館といたしましては,週刊誌を含め図書類を継続的に収集し,保存し,そして先ほども申しましたように,利用者に提供することを使命としておりますので,今のような状況が起きたということで,直ちに資料の購入を停止するというようなことは非常に困難であると考えます。

◆小田 委員  建設業界と図書館を一緒にできませんから,私もその辺の,今の館長の答弁はわかります。この事件が起きてから,つい最近まで,ずっと報道が続いていましたね。容疑者については,これから医療少年院に送られて,いろいろと社会復帰のために手を尽くされるということで,だんだんと先が見えてまいりました。
 私は,そういういろいろな事件を通しながら,一体,言論の自由と人権をじゅうりんするようなことと,これはどの辺にどういうふうに境目があって,どう判断すべきかということは大事な問題ですから,いろいろと議論しなければならないのですけれども,なかなか議論する場所がない。
 たまたま今回は,図書館において「FOCUS」と「週刊新潮」を市民の目には触れないようにしたということは,これは史上最初のできごとじゃないかと思うのですね。
 そういうことがありましたので,私はあえてこの問題を取り上げたわけですけれども,地元の神戸の弁護士会の会長さんは,こういうふうに言っています。今,館長からもお話ございましたように,少年法61条に禁止されていることについて,違反行為があると。「こういうマスコミの暴力が許されない社会を築くためにも,今回のように悪質な記事やその広告が出た時点で,すぐに指弾していく市民の側の良識のネットワークを広げていく必要があるだろう。」と,この会長さんは,市民の側の良識のネットワークを広げろと主張されております。
 そのほか鹿児島大学の山下教授も「報道に対する審判を下すのは,あくまで法務省ではなくて,読者の責任である。」と結論づけていらっしゃいます。
 ですから,私は,この問題は非常に微妙な問題であり,難しい問題だ。一方では,憲法に保障されているように,言論の自由というものを守らなければならないと,これは私は鉄則としてわかっております。
 しかし,そこで,何度も何度も人権無視をするような,人権じゅうりんを繰り返すような週刊誌に対して,これは何もしないで,そのまま放っておいてもいいのかということから見ると,私はこれは黙っておられないなと。何らかの規制なり,何らかのペナルティーが今後必要かなと,そういうふうにも考えるものですから,この問題を取り上げたわけでございます。
 私は,週刊新潮及び新潮社が敗訴した裁判を調べました。昭和54年2月26日から始まりまして,平成8年12月まで,実に10件敗訴しております。
 私も,これは本当にしょうがないなというふうに感じるのですけれども,判決の内容を見ますと,非常に慰謝料が安いのですよ。要するに,10万円の慰謝料とか,100 万円の慰謝料とか,200 万円の慰謝料,こういう判決になっていますから,出版社にとっては,これぐらいの経費は最初から見込んでいるのかもしれませんね。
 しかし,平成に入ってからもう6件も敗訴しているのです。これは,確信犯じゃないですか。書きたいように書く,やりたいように宣伝する,売れればいい,こういう姿勢で書いているのです。
 ですから,これは,やっぱり市民の側からも,こういう週刊誌は許せないなという気持ちが出てくるのではないでしょうか。私もそういう気持ちになります。
 そこで,今,こういう事例を申し上げましたけれども,図書館がこういう週刊誌を買うということは,商業主義に味方していることになりませんか。私は,不買運動をしてしかるべきだと思うのですよ。
 ちょっと言い過ぎかもしれませんけれども,見解をお伺いいたします。

◎岩本 中央図書館長  私は,単純にしか物を考えられませんので,お答えが失礼だったら,お許しいただきます。
 図書館は商業主義に味方しているのかと,お考えはというふうな質問の意図ととらえさせていただきます。
 図書館は,そういう意思のもとでなくて,先ほどから申し上げておりますとおり,図書館本来の使命であります資料をすべからく収集し,保存するという観点に立ち,そういう意味から,資料として購入していると。商業主義の味方という考えは,決して持っておりません。

◆小田 委員  商業主義に味方はしていませんよね,それはわかっていますよ。
 だけれども,私は,今何回も言いましたように,この出版社というのは確信犯,要するに,何度裁判で負けようと,判決は今言ったように慰謝料が安いのですよ。こんなの経費でどうにでもなる。
 外国では,人権侵害されて,名誉毀損という場合は,判決は慰謝料がすごいですよ。億です,億。ですから,日本もこれくらいになったら,きっと出版社もそう簡単には変な記事書けない。
 しかし,裁判の慰謝料については,私が何のかんの言うべき立場じゃございませんので言いませんけれども,しかし,余りにも安いのかなと。したがって,書き得なのかなというような感じもいたします。
 先ほど例に出しましたけれども,建設業界の方も自分たちできちっと内規を決めたわけですよ,昭和42年に指名停止措置要領というのができました。しかし,これは不統一な内容もあったために,その後,昭和58年6月に中央公共工事契約制度運用連絡協議会というのができ,ここでいろいろと統一を図っていこうということになりまして,昭和59年3月23日に,工事請負契約にかかわる指名停止等の措置要領公契連モデルと,こういうのをつくりまして,全国に波及したわけです。
 札幌市も昭和61年3月29日に,助役の決裁ということで,札幌市工事等参加資格者指名停止等措置要領というのをつくりまして,これに基づいて指名停止とか,いろいろなものを決めまして,今現在,実施しているわけです。
 ですから,札幌市も,市教委もやる気になれば,こういう措置要領をつくって,余りにもひどい反社会的な報道を繰り返す出版社に対しては,何らかのペナルティーを科すよということが検討されてもいいのではないですか。教育長,この件どうですか。

◎千葉 教育長  大変難しいご質問でありまして,今回の神戸の事件をめぐる図書館の対応につきましても,私どもとしましては,委員もご承知のとおり,例えば出版業界の動きだとか,あるいは販売店の動きだとか,あるいは法務省の見解が出されたり,あるいは教育界からいろいろな声が出たりというようなこと,全国的なそういう動きを見ながら,一方では,言論の自由だとか,表現の自由だとか,報道の自由だとか,あるいは国民の知る権利だとかという部分と図書館の使命ということ,それから,片一方では,人権あるいはプライバシーの保護というものをどういうふうに考えればいいのかということで,館長は先ほどそのはざまで揺れたというご答弁をしましたが,そんなことをいろいろ考えながら,一応は閲覧を停止したといいますか,そういう措置をとったところであります。これも委員ご存じかもしれませんが,全国的に全部の図書館が閲覧を禁止したわけではありませんで,ごく少数でありますけれども,ほかの記事も含めて必要な部分だけ見せたとか,そういう対応をした図書館もないわけではございません。
 そういう意味で,お話しのとおり,非常に難しい問題を含んでおりまして,我々としましては,先ほど図書館の使命というのを館長から申し上げましたけれども,例えば図書を購入する場合でも,我々が「この本を買うべきだ」とか「この本を買っちゃならない」とか,あるいは買った本を特定の人には見せるとか,特定の人には見せないとか,非常に恣意的な取り扱いは,我々は絶対避けなきゃならないというのが図書館宣言等に盛られております,図書館なり,図書館業務に従事する職員の基本的な理念といいましょうか,倫理ということになっております。
 そういう前段がありますが,それで,ただいまの工事指名規定に倣ったような扱いができるのでないかというお話でございますけれども,この工事指名の方の要件としましては,例えば贈賄をしたとか,談合というのは公正取引何とかの法律ですね,そんな法律で定めている,いわば要件ががちっと決められて,これについては,だれもが不正といいますか,反社会的だということがわかる要件ということになっているわけです。
 我々が今,問題にしなきゃならないのは,反社会的だとかいったような場合に,何を反社会的だと考えるかという問題なのだろうと思います。それを図書館が「これが反社会的だ。これが反社会的でない。」という判断をつくるというのは,非常に難しいということが一つあろうかと思います。
 それから,もう一つは,仮に反社会的な行為があったとして,行政がそのペナルティーを科すという方法がいいのかどうかという問題もあるように思います。
 これも,くしくも委員おっしゃいましたけれども,例えば,民間の人方,あるいは民間で不買運動のような格好がもしあるとすれば,実質的に反社会的な出版をした本というのは売れなくなるでありましょうから,それを行政が画一的にやっていくということが正しいのかどうか,こんなような気もしているわけであります。
 結論を申し上げますと,さまざまな方々の討論といいますか,意見交換をして,社会的に認知されるような合意点というのを見つけていただくより,しようがないだろうというふうに私は考えておるわけであります。
 委員のご指摘の部分,これは今回の例だけでありませんが,我々としましても,そのほかの問題を含めて,そういう問題の重要性といいますか,問題意識としては十分持っておりますけれども,今のようなことを考えますと,ただいまの時点では,その工事等参加資格者指名停止等措置要領のようなものを図書館としてつくることは非常に困難なものがあると,こういうふうにただいまお答えをさせていただきたいと思っております。
 以上でございます。

◆小田 委員  今,市教委の最高責任者である教育長が見解を示されました。私がこれ以上やっても水かけ論になっちゃうから,質問はこの辺でやめまして,あとは要望にしますけれども,一つ言いたいのは,全国の政令都市を調べました。川崎市がカウンターでだけお見せしている。あとの政令都市は,一切見せておりませんから。
 それからもう一つ,今,教育長がおっしゃいました建設業界の措置要領の中で,贈収賄とかだけじゃないのですよ。別表の2には「不正または不誠実な行為」というのがちゃんとあるのです。これも工事の契約相手としては不適当だと,きちっと認められるのです。だから贈収賄だけじゃないのですよ。やっぱりこんな不正,図書でいいますと,何回も不正を繰り返す,何回も裁判で負けるけれども,またやるのは不誠実じゃないですか。
 こういうものに対しては,読者が買わないというのが一番いいのですよ。しかし,読者買わなくたって,図書館は買うのだから。さっき何冊買うと言いましたか,私調べたら,札幌市だけで年間で1,040 冊も買っているのですよ。読者買わないといったって,全国の都道府県,全国の都市で買ったら,何万冊になるのですか。
 図書館が買わないといったら,これは一つの大きな歯どめじゃないですか。だから,私は,あえてそういうふうに申し上げました。
 図書館法,自由に関する宣言,倫理綱領,私はこの三本柱は尊重しなくちゃならないと思っています。これには異論がございません。しかし,人権無視が続くようであれば,この出版社に対して何らかの声を出さなければならないと,私はそのように思うのです。
 ですから,これから検討してもらえるのかもしれませんけれども,何らかのペナルティー,あるいはお考えというものを市教委としてもはっきりと表明すべきだと,私はそういうふうに思います。
 これは,難しい問題かもしれませんけれども,しかし,国民の人権を守るという立場から,この点につきましては,お考えを表明することも大事だと思いますから,ぜひご検討していただきたいと思います。
 以上,要望して終わります。

◆山口 委員  私も,図書館に関してお伺いをいたしますが,ただいま図書館の自由に関する議論がありましたので,1点目にそれに関連して質問させていただきたいと思います。
 今回の問題は,図書館でそれぞれ議論をされ,さまざまな対応があったというふうに聞いておりますし,先ほど館長がお答えのように,内部で議論をして結論をお出しになったということで,私は,それぞれの図書館が一律に横並びにするのではなくて,議論をして,それぞれの見識で結論を出すということが重要だろうというふうに考えるものです。
 問題は,今回の利用制限というものが,図書館の自由に関する宣言を見ましても,制限は極力限定し,時期を経て再検討されるべきものであるということが書かれておりますように,あくまでも閲覧制限,提供制限というのは,例外的やむを得ない措置であるということの押さえが非常に図書館の自由に関しては重要だろうと思うわけなのです。日本図書館協会の「FOCUS」の取り扱いに対する見解についても,図書館がそれぞれ自主的に主体的に判断するというふうなことが書かれております。
 そこで,1点だけお聞きしたいのですけれども,私は,どのような結論を出したかという結論に至る議論の経過を市民に聞かれたときに明らかにしていく,それが図書館の自由という観点からも,そのことの方がむしろ非常に重要ではないかというふうに考えるわけです。結果までのプロセスを明らかにするということが重要だろうと考えるわけですが,それについて後ほど教育長のご見解を伺いたいと思います。
 それから,次の質問ですけれども,今回の事業再評価プログラムの中で,図書館が見直し対象になったと。もう1館地区図書館の計画があったのが見直し対象というふうになりましたけれども,その理由についてお聞かせをいただきたいと思います。
 それから2点目ですが,ことしの3月にオープンをいたしました東札幌の図書館,菊水図書館にかわって新たにオープンをいたしましたが,私どもの会派でも見にまいりましたし,子供と利用もさせていただきましたが,書架が非常に高いと。児童コーナーの棚が約170 センチ,1.7 メートルあるということで,子供には届かないし,どんな本があるかも見えないということはどういうことかということで質問をさせていただきまして,結果,改善のお約束があったわけですが,先日伺いましたところ,まだそのままになっております。
 1階が非常に窮屈で,2階が郷土資料コーナーだけで非常に広いと,このアンバランスも含めまして,東札幌図書館はどのように改善をお考えになっているのか。
 その失敗を認められて,清田図書館には生かしていくのだということでお答えがあったのですけれども,それについてどのようにお考えかお伺いをいたします。
 3点目です。いよいよ11月4日にオープンをいたします清田図書館ですが,これが東札幌の失敗を生かすということで大変期待をして見守っておりましたけれども,先日,総務委員会でも伺ったところ,貸し出しカウンターの前に巨大な柱がどーんとあって,これはもう絶対貸し出しの流れがスムーズにいかないだろうということが一目でわかるわけです。入ってすぐの展示のショーウインドーの前にも同じ太い柱がございまして,これがショーウインドーに本を展示したり,資料を展示しても,見るのに支障があるのではないかというふうに思われるわけですが,このようなレイアウトにした理由というのは何なのか,どうしてこのようなことになったのかということについてお伺いしたいと思います。

◎千葉 教育長  先ほどの週刊誌等の閲覧を禁止したプロセスというお話でございました。
 正確には図書館長の方からお話しすると思いますけれども,この扱いにつきましては,図書館長の判断といいますか,権限ということになっておりますが,記憶では,当時のいろいろな動き,先ほどちょっと言いましたが,法務省の見解が出たり,あるいは出版社,販売店といいますか,取次店というのでしょうか,そういうところの動き,自主的に返品をするとか,それから売らないことにするとかという動き,あるいは教育界のいろいろな動き,それから,メディアなんかでは例えば少年法の改正というようなところまで,いろいろな議論が展開をされました。
 そんな中で,これは館長の権限でありますけれども,最終的には私も報告を受けまして,こういう方針で当分の間は閲覧をしないということでございましたので,私もそういうふうに考えまして,諸般の情勢から見て,もちろん各市の動きだとか,全国の図書館協会の動きとか,情報収集をしながらでありますが,そんなような中で閲覧を停止するという決定をしたところでございます。

◎岩本 中央図書館長  東札幌図書館の件ですけれども,改善をするというお答えに対して,されていないというご質問にとりましたけれども,児童の棚につきましては,確かにそのものは6段棚で,上まで行くと160 センチあるわけです。しかし,実際の運用といたしまして,子供さんが利用できる高さ,すなわち4段以下,3段以下に図書を置いているのが一つ。それともう一つは,やはり若干高いところは,届かない子供のために児童専用の踏み台を置いて運用しているということです。
 一番望ましいのは,6段棚を取っ払って,4段,3段の低い棚を購入するのが改善の一番の方法でしょうけれども,経費のこともございますので,運用の段階で子供さんに使いやすい,今そういう対応をしているところでございます。
 それから,次の清田図書館の柱の問題ですけれども,これは,設計上,耐震構造の関係で,建物の中心部にあのような大きな柱を置かなければならないという状況にございます。
 その場合,カウンターの位置が使いにくいところにあるのではないかということですけれども,カウンターというのは図書館の顔でございますから,入り口の近く,あるいは通路の中心というところに置かなければなりません。そうすると,あの場所しかなくて,やむを得ず,あの場所にカウンターの設置ということになったわけでございます。
 多少見ばえが悪いとか,先生ご指摘のように,使い勝手に不自由するのではなかろうかというお考えもございますけれども,それほど大きな支障にならないのではないかというふうに考えているところでございます。
 事業再評価をどうしてやったかという理由ですけれども,それは図書館が好きでやったのではなくて,全庁的なそういう中で,項目に選ばれてやったということでないかと思います。

◆山口 委員  1点目の図書館の自由につきましては,再度要望として申し上げておきたいと思いますけれども,日図協の見解にもございますように,図書館の自由の宣言に留意をして,資料を保存する責任というのが図書館にはあるわけですから,改ざんしたり,受け入れ・保存を拒否する,あるいは紛失などのないように,将来にわたって保存しておくべきであるし,また,時代に合わせて見直しも必要だろうというふうに考えております。
 近年では,「ちびくろサンボ」の問題が差別だということで,多くの公共図書館からなくなっていった事例がございまして,私は,文学作品としても非常に好きなもので,子供たちにもよく読ませていたものが黒人差別というような観点から,目に触れる機会が減っていくということに対しても,知る自由あるいは知る権利という部分の侵害という問題と差別という問題と,非常に難しい問題が絡んでいるなとは思います。
 これからもこういう問題は出てくるかと思いますし,松本サリン事件以降,国会図書館でサリンの生成方法について貸出者の閲覧表を全部出すようにと警察が捜査したことについてもさまざまな議論があるなど,この問題は古くて新しい。けれども,なかなか結論が出ない。でも,図書館の根幹にかかわる問題だと思いますので,その辺は最初申し上げましたように,ぜひ幅広い議論の中で,図書館の見識が見える,経過が見えるような形で示していっていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 事業再評価プログラムの方に移りますが,今のお答えでは,しようがないというような感じで図書館側としては受けとめられたのかなというふうなお答えだったのですけれども,これは市民からの要望もありますし,当初5カ年に入っていたわけですから,私は,今回の再評価自体を否定するものではなくて,再評価をするに至った過程を明らかにしてほしいということを,この決算特別委員会では一貫して,各局に対して質問してまいりました。
 そういう意味では,今のお答えが一番,実は正直なところなのかもしれないけれども,理念とかプロセスがわからないという感じがしてなりませんので,その辺は今,いろいろな陳情も出ておりますし,これから議会での議論やいろいろな市民の意見も反映をさせた中で考えていかれるということは十分認識しておりますが,2点目の東札幌,清田と関連をして,その問題について再質問させていただきたいと思います。
 東札幌につきましては,当面,運用でということでありますが,となると,上の段を使わないのであれば,収蔵できる本の冊数,当然資料が少なくなってしまうということが考えられるわけなのですね。
 その辺のところで,私は,ほとんど使われていない2階を,何らかの形でお話コーナーを2階へ持っていくとかして,もっと1階を広げるような工夫も必要ではないかというふうに考えるわけですが,その辺のところについてのご検討をされたのかどうかということを伺いたいと思います。
 それから,清田につきましては,支障がないとおっしゃいましたが,車いすでやっと通れるか通れないかの広さということですから,これは土・日なんかの混雑したときは,非常に支障があるのではないかと私は考えるわけです。区役所の2階とか3階を拝見すると,柱がさほど気にならないのですね。つまり,レイアウトに工夫がされていて,部屋と部屋の仕切りに,ちょうど真ん中に柱を持ってきているわけですから,ほとんどその柱が苦にならないということですので,もっとレイアウトで工夫ができたのではないか。
 例えば,お話し室があるところに事務室を持っていくとか,さまざまな工夫であの柱が真ん中に来ない工夫というのは十分可能であったというふうに考えるわけです。私は,一番問題なのは,図面だけではなかなか判断できない中で,当初から,図書館開設準備室みたいなものを設けて,そこに働く人,図書館の方がちゃんと入って,レイアウトの検討からやっていけば,このようなことにはならなかったのではないかと考えるわけです。
 東札幌でのことが,同じ問題ではないけれども,でき上がってきて,なかなか改善できないという点では,清田でも,その教訓が生かされなかったのかなということが非常に残念なのです。
 例えば,図書館前の旧道から入ってくるスカイウエーが非常に広くて,5メーターか6メーターの幅があって,卓球台を置いてもまだ大丈夫みたいな感じのスカイウエーがあると。片側は,危なくて人が出られないバルコニーがあるということで,これはなぜかと考えたときに,やはり地区図書館1,200 平米という縛りの中で,複合施設として建ててきたことの弊害だろうと思うわけですね。
 1・2・3階部分は区役所としてきっちり真四角なのに,4階にきて急に小さくなって,余計なバルコニーとか,必要以上に広いスカイウエーを無理無理とって,1,200 平米に合わせたということが私は根本的な問題ではないかなというふうに考えるわけなのです。
 財政的な問題でとかというふうにおっしゃるかもしれませんが,場所はあるわけです。狭いところを無理無理1,600 にしろとか,1,500 にしろということじゃなくて,ちゃんと広い床面積があるのに,あえて小さくしたということについて,1,200 という基準ももう見直すべきではないかと考えるわけですが,それについていかがか,お伺いします。
 それから,清田図書館なのですけれども,全面ガラス張りということで,一見非常に明るくて,採光が非常にいいということで,使いやすいかなと思ったのですけれども,壁が全くないわけですから,書架をもうあれ以上ふやせないのですね。
 現在3万冊ということですけれども,果たしてこれで4万とか4万5,000 というスペースがあるのかどうか。両サイドの窓をつぶさないと無理なのではないかというふうに考えるわけですが,それについてお伺いをいたします。
 図書館と子供の本の研究所が発行しております「図書館をレイアウトで生き返らせる」という本を見ますと,指摘として,「明るいから太陽光をたくさん入れて,窓を大きくする図書館というのは大きな間違いです」というふうに,ここにはちゃんと書かれております。「本も色あせてくるし,反射光も含めて,できるだけ太陽に本は当たらない方がいい」というちゃんと研究所の指摘としてありますので,その辺にも実際の図書館員の方のご意見がどれぐらい反映されたのか,明るくていいでしょうだけでは,ちょっと済まないのではないかと考えるわけですが,その辺について,面積の問題,レイアウト,ガラス張りについて,どうお考えか。
 これも含めて,私は,事業再評価プログラムの中含めて1,200 平米という枠組みを検討する何かあるのであれば,多少その計画が延びてもいいのではないかと考えるわけですが,その辺についていかがでしょうか。

◎岩本 中央図書館長  たくさんのご質問があって,どういうふうに整理していいかわかりませんが,間違ったらまた言い直しますので,ご指摘ください。
 最初,事業再評価の点でしたか,これはどういう考えというより,当初計画があって,それを見直すということで,見直した結果どうなったということを私,言っていなかったかもしれませんけれども,今回の見直しの結果は,要するに,中央区の地区図書館にふさわしい機能を備えたものということになっています。
 したがいまして,例えば,規模だとか,実施時期だとか,場所だとか,それから中身とか,そういうものについては,今回の評価の中には入っておりません。まず,それが1点です。
 それから,東札幌の棚の上段を使わないために,本の冊数が減るということですが,それは当然ながら,面積は一定ですから,上段使わなければその分だけは減ると思います。
 それから,清田図書館の件ですけれども,カバード・ウォーク・ウエーをたくさんとっているから,それを図書館にすればよかったのではないかということです。図書館側にとりましては,それは大変ありがたいことかもしれませんけれども,カバード・ウォーク・ウエーは庁舎全体で,一つには旧国道から入る人の通路,もう一つは庁舎全体の展示物をするところ,もう一つは緊急避難通路というような形で確保したと聞いております。
 それから,ガラスが多過ぎてというようなことでしたけれども,第1には,眺望ということ,4階にあるがゆえに見晴らしがいいのに,ガラスがないと全部壁ですから見晴らしがきかなくなるということから,ガラス張りにしたということです。
 その結果,ご指摘のように,本がやけるとかなんとかということがもしあるならば,それはまたブラインドをつけるとかなんとかしなければなりませんけれども,まだオープンしていませんので,オープンした後,その辺の状況を見ながら改善することはしていかなきゃならないかなというふうに思います。
 面積については,清田の場合であっても,あくまでも地区図書館ということなので,過去に設置した地区図書館との横並びというのが一つあろうかと思います。したがって,あの面積。そして,あの面積は1,300 です。したがって,標準の他の地区図書館より若干広いのではないかと。それが一つと,ほかは1階と2階,清田図書館だけがワンフロア・システムなので,そういう点では広く使えるというような利点もあろうかと思います。
 以上です。

◆山口 委員  再評価に関しては,もう質問をしません。要望にしておきますが,ぜひ今申し上げました1,200 平米ということも基本を変えられないということではなくて,もっと弾力的にやっていただきたいと思いますし,中央区にふさわしい図書館ということであれば,当然いろいろな方の声も聞いた上で検討していただきたいということを要望しておきます。
 東札幌については,当然,本は減るわけですとおっしゃって,じゃどうするかというところで,私は,例えば2階にお話し室を移すとか,そういう工夫がないと,減った本はどうするのと,資料が減ったままということでは納得ができないので,その辺の改善をどうお考えかと質問したのですが,お答えがなかったので,それについてもう一度お願いをいたします。
 それから,清田につきましても,本がやけたらブラインドをとかということではなくて,そもそもこういう指摘があって,図書館の人から見れば当たり前のことができなかったという,そうやってできてきたことが問題で,次の中央区図書館でもこのようなことになるのではないかと心配があるわけですから,早目に準備室からの参加などが必要ではないかということを申し上げているので,単に,やけないためにブラインドとかというレベルの話ではないので,その辺のお答えをいただきたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  まず,東札幌の件ですけれども,私,棚が低くなったら本がなくなると言ったかもしれませんけれども,そうではなくて,閉架書庫なりに保存して,要求があれば貸し出しをするということもできましょうし,もう一つは,2階のスペースについてのご指摘でございますが,あの辺はもともとは白石の郷土資料のスペースということで,これは地元住民の意見を取り入れた結果でございます。
 したがって,ただそれが少ないがために,今,あいているから,そこへ1階の部分を上げてというご指摘ですけれども,この辺については,総合的にこれからも工夫・検討していきたいというふうに考えています。
 図書館は,本をできるだけ多く置きたいという考えでございますので,そういう趣旨に立って,どうできるか検討したいと思います。
 それから,清田の件ですけれども,そもそもそういう意見があるにもかかわらず,ああいうことになってしまったという先生のご指摘は,例えば,きちっとした検討委員会が機能していなかったのではないだろうかということだろうと思います。
 そうであるならば,これから図書館をつくるときの検討委員会については,今までの経験を十分生かして,そして,よりよいものになるような検討委員会にしていきたいというふうに思います。

◆山口 委員  長くなりますので,最後にしたいと思いますが,はみ出た児童図書を閉架書庫に入れるというのは,対応としては全く違うのではないかと。子供たちですから,どんな本があるか見て借りたいと思うわけです。
 ですから,東札幌の場合は,表紙が見えるように並ぶような棚もありません。全部,背表紙で選ぶようになっていること自体問題だということをたしか1定の特別委員会で指摘をさせていただきましたけれども,それよりさらに閉架の方にしまってしまうというのは,図書館の趣旨からいって全く違うのではないかというふうに思いますので,検討したいというお答えでしたから,その趣旨も踏まえて検討していただきたいと思います。
 郷土資料館ですけれども,いろいろな要望があってつくられた経過は存じ上げておりますが,結局,集まってきた資料は,本当にいい資料は,道の開拓の村へ行っていたり,いろいろなところに寄贈をされておりまして,いい,悪いという言い方は適切ではないかもしれないけれども,保存として大変貴重な部分よりは,どちらかというと,個人の方が所蔵して,捨てるにはもったいないので何とかしてというレベルのものが多いということを,あるそういう仕事に携わっている方から伺ったこともございますので,そういうことも含めて,2階の活用を検討していただきたいと要望しておきたいと思います。
 清田につきましても,今後,図書館がふえていくであろうと思いますし,それを希望しておりますが,その段階では,準備室をもっと機能させる,それから,本当に図書館で働く方の声を直接に吸い上げるようなことを要望しておきたいと思います。
 最後なのですけれども,これずっと申し上げておりますが,貸し出し冊数1回4冊の制限の緩和ということについては,その後どんなご検討がされたのか,それだけお伺いをしたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  その後もずっと増冊をすべく検討しております。
 ただ,今現在,コンピューターを使うために,他館への返却ということが可能なわけで,この件数が非常に多くなってきております。そうすると,物流,図書が中央図書館に入って,また,貸出館に返すという作業があるわけですけれども,それが3割ほどふえたがために,仕分けスペースが今もうございません。
 そこで,現在,中央図書館の地下書庫を増築中でございますので,これが完成すれば,そういうスペースもできると思いますので,そういう対応をしてから,増冊に踏み切りたいというふうに考えております。
 以上です。

◆菅井 委員  私は,さっぽろ文庫の発刊についてお尋ねをしたいと思います。
 さっぽろ文庫は,創刊以来,四半世紀25年を経過いたしておりまして,発刊された本も現在82冊を数えております。私は,非常にこれは市民に親しまれているし,また,文化的にも意義のある出版事業だと日ごろから思い,敬意を表しているところでございます。
 たまたま本年に入りましてから発刊されました2巻のうちの一つに,「歌の中の札幌」というタイトルのものがございます。ご存じだと思うのですけれども。
 ほかのものもそうなのですけれども,折に触れて私はこれに目を通しておりますが,この「歌の中の札幌」というタイトルの中には,どういう歌が入っているのか,そのことが念頭にありまして,特に注意深く読んでみたわけであります。
 とりわけ,私がカラオケなどで愛唱している歌も多分含まれているのだろうということが頭にあって,見てまいりましたら,あに図らんや,私の愛唱していた歌がポピュラーでなかったのかどうか,題名が見当たらなかったものですから,これはおかしいなと思いまして,早速,教育委員会の方に電話を入れました。「この歌の選曲については,どういう基準でやっているのですか。どなたが選んでいるのですか。」とお尋ねしたのです。そうしますと,私が納得できるような確たるお答えはありませんでしたけれども,そのことを通じて,私なりに,ちょっとさっぽろ文庫についての意見をみんなの前で申し上げなきゃならぬなと思ったものですから,これから質問させていただきます。
 私のように,この文庫が発刊された際に,市民から,あるいは読者から寄せられた意見というものは結構あるのではないかと思うものですから,それらの意見をどういうように受けとめられて,どういう処理をなされているのか,整理がされているのか,これについて,まず第1点お伺いいたしたいと思います。
 それから2点目については,市民の方からは,やっぱり文庫の内容がもっと充実されたものであってほしい,完全なものであってほしいというような意見や提言が寄せられると私は思うのですけれども,教育委員会としては,今後の企画にそれらをどういうように反映させていくのか,その対応について,お考えがあればお伺いいたしたい。
 3点目でありますけれども,さっぽろ文庫の執筆者の問題であります。
 執筆者については,どういうようなところにお願いをしているのか。どういう基準で選んでおられるのか。
 そしてまた,テーマについても,もう既に82巻まで来ておりますから,非常に多種多様,多岐にわたっているすばらしいものだというぐあいに私は思っております。
 こういうようなテーマの選択についても,それぞれどういうようにして行われてきているのか,その点についても3点目としてお伺いいたしたいと思います。

◎石原 社会教育部長  第1点目のさっぽろ文庫発刊に際しての反響及びそれに対する対処についてのご質問だと思いますが,さっぽろ文庫は,札幌の風土や文化をさまざまな切り口でとらえておりまして,その内容を市民の皆様に提供することによりまして,未来の街づくりの糧とすることを目的として発刊をしてございます。
 昭和52年9月に創刊をして以来,100 巻を目標に現在までのところ82巻を刊行するに至っております。
 発刊しております文庫につきましては,読者からの電話や読者カードを通じまして,さまざまな意見を寄せられているところでございます。
 その反響の内容といたしましては,例えば,郷土史への理解を深めるのに大変役立つというものや札幌市の独自性を強調した出版物というように,本書の意義や企画自体に対する好意的な評価もいただいている一方,ただいま先生のお話もありましたように,記載内容の不備や不足に対してのご指摘もいただいているところでございます。
 寄せられましたご意見のうち,特にご指摘を受けた部分につきましては,専門家と相談するなどして,個々に説明をし,対処しているところでございます。
 ただいま菅井委員の方から,ことし出した81巻目の「歌の中の札幌」のお話がございました。多分その中身のことをおっしゃったと思います。
 2点目のさっぽろ文庫へこれまで寄せられました意見等への対応についてでございますが,既に刊行いたしました文庫の中には,絶版したものや改訂が必要となってきたものが数多くございます。
 今後,時期を見まして,改訂版の発行などを行う際に,これまで寄せられました貴重なご意見等を生かすように検討してまいりたいと考えております。
 3点目の執筆者の選考とテーマの選択でございますが,テーマにつきましては,私ども教育委員会で設置をしています企画委員会でテーマを決めまして,この文庫を委託しております「さっぽろ文庫編集室」がございますが,ここで具体的に各巻ごとに編さん委員会を設けまして,その内容に基づきますそれぞれの分野に詳しい方々の中から,私ども教育委員会の意見を参考にしながら,執筆者を選考しているところでございます。
 今後も執筆者の選考につきましては,より幅広い観点から検討し,テーマにふさわしい人選を行ってまいりたいと考えております。

◆菅井 委員  私は,先ほど具体的な曲名を言いませんでしたけれども,皆さんもきっとご存じだと思うのですが,一つは,秋葉 豊とアローナイツが歌っている「流氷」という歌があるのですね。私は,これは北海道の歌だと思っておりましたし,ある人に聞きましたら,「間違いなく北海道の歌だ。オホーツクの歌ですよ。」と言われました。これがなかったのです。
 それから,もう一つ「礼文情歌」という歌があるのです。これは,皆さんの中でも,狸小路の近くにある「ジョージの城」というスナックに行かれた方がもしおれば,そこで「礼文情歌」という歌を「ジョージの城」の店主が大きい模造紙に歌詞を書いて,この歌をみんなに歌わせた。私は,たまたまそこに居合わせたものですから,「ああ,こういうすばらしい歌があるのか」と思って,記憶に残っておったのですが,残念ながら,「歌の中の札幌」の文庫本には載っかっておらなかった。そこで,先ほどのような疑問が出てきてお尋ねしたということなのですね。
 そこで私は,これは一つの記録誌でもあるし,文化的に非常に貴重な遺産にもなるものだと思うのですね。我々がもうあの世へ行っていなくなっても,この本は残っているということであって,この残っている本から私が愛唱している歌が消えているということは非常に残念だなと思うものですから,それで先ほど申し上げたのです。
 最後に申し上げますけれども,このように,さっぽろ文庫は非常に意義のある文化的な遺産となるべき代物でございまして,この重要な記録誌であるという考えに立つならば,この出版事業に携わっている人たちは,その辺のところに誇りを持って,この仕事に取り組んでいっていただきたい。ぜひ最後の第100 巻目を迎えるまで頑張って,いいものを残してほしい,このことをお願いいたしまして終わります。

◆川口谷 委員  図書館の問題につきまして,2点質問をいたします。
 一つは,図書館づくりに当たっての市民参加の問題,もう一点は,病院図書館の件,この2点であります。
 実は,先ほどの山口委員の質問が私の質問したい部分と相当重なっておりまして,その間隙を縫って私が質問をすることは非常に困難を来しますけれども,重複をしないように質問をいたします。
 今さらこういうことを申し上げますと,皆さんもう既に耳にたこができているということになろうかと思いますけれども,図書館づくりに当たりましても,市民参加ということが非常に重要ではないかなと改めて考えていただきたいと思っています。
 それで,どんな施設でも,でき上がった後で,ああすればよかったとか,こうすればよかったとか,いろいろと評価がつきまとうものでありますし,また,そういう評価を経て,より改善されたものを目指すということであろうかと思います。
 私は,結果論でどうこう言うというのは好きでありませんから,そういう立場は前段理解をしていただきますけれども,これまで本市が建ててきた図書施設について,それぞれ率直な評価といいますか,特に欠陥部分のお話をして質問させていただきたいと思うのです。
 さかのぼれば,厚別図書館,これは既に何度も取り上げられておりますように,書架が高いということですとか,区民センター側の出口が死角になっていて,管理上問題があるということ,また,2階に上るには,一度区民センター側から出ないと行けないと。1階から直行できないということなどがございます。
 東札幌,ただいまも指摘がございました。同じく書架が高い。ほぼ天井に届かんばかりです。私の場合は,上まで手が届きますけれども,山口委員は無理でないかなと思います。したがって,踏み台とか,はしごなどが必要になってくるということかと思います。
 特に,児童図書コーナーに問題が多い。本はやはり表紙を見ていろいろと判断をしたいという,これはお互いにそうだと思います。
 書店に行きまして,背表紙だけではなかなか「買おうかな」という気持ちが起きないと思います。やはり表紙のインパクトというのは非常に強い。したがって,極力,表紙が見える書架が,特に子供の場合は望ましいかと思います。
 また,受け付けのカウンターから児童コーナーあるいはお話し室などが死角になると。それから,何度も言われておりますけれども,エレベーターの前の空間は非常にむだがあるのではないかなということ。
 2階の郷土資料展示コーナー,貴重な多目的性を持った空間が資料の展示によって,ほぼ固定的に空間が押さえられてしまうと。したがって,さまざまな図書館としての自主事業のようなもの,展示事業のようなものを展開しにくいということがあろうかと思います。
 さて,清田の問題。
 私も先週の金曜日ですけれども,自分の目で確かめてまいりましたが,総合庁舎の4階部分になっているわけです。まず,目に飛び込むのは太い柱。入り口から入りまして,6本から7本ずっと並んでおります。また,この柱が今もありましたが,本当にばか太い。1メートルぐらいもありましょうか。
 あの柱も防災上,ああいう強度を保たないといけないということで,ずっと1階から4階まで構造的になっているのでしょう。これは総合庁舎の宿命だと思うのです。したがって,その構造の中にはめ込まれる図書館の悲劇でもあるかなというふうに思うのですけれども,そういう問題があります。
 この柱も,角を落として少し丸みを持たせてもいいのじゃないかなと思うのですが,それもどうも構造上だめだということのようなのです。できれば,僕は,ここにも四角い柱ありますけれども,この角を落とすことによって,強度上,計算してどれだけの支障があるのか,これはひとつ研究してみていただきたいと思うのです。
 やっぱり四角いものは丸くおさめるというところが大事でないかと思いますので,その点検討いただきたいと思うのです。
 それから,やはり柱のために,肝心のインフォメーション,入ってすぐ,借りるところ,返すところという文字が一部ブラインドになって見えないということがあります。
 もう一つ,図書室に車いす用の机も用意されております。一角をパーテーションで囲って車いす用の机が一つあります。ところが,そこに出入りするための肝心のドア部分に段差といいますか,ドアのストッパーがありまして,車いすの方は,出入りのとき,どってんとなるのではないでしょうか。これも私にはわからない。
 それから,ドアが物すごく堅牢です。特別委員会室のドアよりも重たくごつい感じを受けましたけれども,なぜ図書館の中のパーテーションで仕切ったところのあれが,あれほど堅牢でなければいけないのかなということで,段差の問題とドアの堅牢さについて,私は全く素人ですけれども,素朴な疑問を持っています。
 スカイウエー,それから,カバード・ウォーク・ウエーにつながる通路の広さも今,答弁いただいて,ある程度理解はいたしましたが,広過ぎるかなという感じは受けました。
 オールガラス張りも,まさにもうそこには書架が置けないのではないかなと思うのですね。非常に使い勝手を悪くしているのではないかなというふうに思います。
 以上,3カ所についてだけ申し上げたわけです。
 そこで,質問でありますけれども,やはり図書館づくりには,少なくとも1年以上前から,十分な準備をする必要があろうと思いますし,準備室などを設けて,また,そこを核として,識者なり,利用者との懇談をとことん尽くして,最終的な施設の整備を目指すべきではないかなと思います。
 隣の石狩市では,2000年オープンの図書館の計画があるようでありますけれども,既に室長を置いて,司書も公募をしているというふうに伺っております。
 そこで,これまでの図書館づくりでは,本市の場合,どのようなプロセスで図書館づくりをやってこられたのか,改めてお示しをいただきたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  お答えいたします。
 まず,直近の三つの図書館の設立に当たってのプロセスですが,まず,中央地区図書館の建設に当たりましては,開館が平成3年3月でございますけれども,昭和61年7月に新札幌市中央図書館計画委員会というものを学識経験者など8名の委員をもって設置をいたしまして,そして,都合10回の委員会を開催いたしました。また,そのほかに小委員会を6回開催したところでございます。
 それから,別な組織でございますけれども,図書館学の関係者と身体に障害を持つ方との懇談会をも開催いたしまして,これらのご意見を聞いた上で,基本設計,実施設計を作成したということでございます。
 次の東札幌地区図書館の建設でございますけれども,これも1年以上前である平成7年12月に,有識者や利用者代表など14名の委員をもって地域懇談会を設置いたしまして,これは2回の懇談会を開催し,設計に関する意見交換,あるいは平面プランの説明を行った後,基本設計,実施設計を作成したということでございます。
 それから,清田図書館でございますけれども,ここも13名の委員をもちまして,これは平成7年2月に懇談会を設置いたしまして,そして,3回の懇談会を開催し,事業説明及び基本設計プラン,さらには平面プランの意見交換を行った後,基本設計,実施設計にこの意見を反映させて取り組んだところでございます。
 いずれも有識者だとか,利用者の代表,それから町内会の代表,関係者,それから市民団体の代表,ボランティアの方,障害者の方,幅広い層の方々に参加をいただきまして,そのご意見を可能な限り取り入れて,建設に取り組んだということでございます。

◆川口谷 委員  お答えいただいた経過を経て,図書館ができていっているわけですけれども,私が冒頭に申し上げましたような,言えば細かな点だというところもあるかもしれませんけれども,やはり利用者サイドから見ますと,使い勝手が悪い,不都合というそしりは免れない部分が多いのではないかなと思います。
 これもよく考えてみますと,今,伺ったそれぞれの各界各層による懇談会メンバーの方々の英知の結集の結果であるかもしれませんけれども,やはり一番大事な,利用者が使う場合に,どういう動線があるとか,どういう動きとなっていくのかといったような,やはり日常,図書館に親しんでいただいている方々の声がより多く反映される必要があるのではないかなと思います。
 今,中央図書館のことの答弁ございましたが,私もメンバー拾ってみましたけれども,大学の教授,高校長,小学校教諭,マスコミ,テレビ,大学助教授,ふきのとう文庫の方などが入っておられる。そうそうたるメンバーであります。
 懇談会では,やはり大学図書館の司書の方とか大学教授,短大の方,道立の館長,障害者団体などの方が入っておられる。
 それから,東札幌には,連町の会長さんなどが4名,青少年育成協,PTA,ワークセンターとずっといくのですが,実際に利用する立場の方は「私たちの街に図書館を」という方が2名入っておられて,個人の方,利用者が2名というような構成になっております。
 清田のケースについても,連町の会長さんが5名,その他大学,短大の教授の方などがおられますが,一般市民といいますか,利用者の立場からの方と私の目に映りますのは,お一方でしょうかね。貸し出し文庫「つつじ」の方が入っておられますから2名になりましょうか。
 というような,これらに共通しておりますのは,やはり地元の有力者でありますとか,学者先生がこの懇談会の多数を占めておられるということであります。
 そういたしますと,懇談会の論議はどうなっていくかということになりますと,やはり少数の方の意見は出しにくくなるのではないかなというふうに思います。
 こうしたメンバーの方々の評価について,私,とやかく言うつもりは全くないわけです。結果として不都合だということになるとすれば,真の利用者の声が反映されていないということにほかならないのではないかなと思います。
 レイアウトの問題につきましても,コンピューターを用いてシミュレーションするという手法が今,大いに活用されている時代ですから,先ほどの清田図書館の場合でも,あの6本から7本の柱がずっと並んでいるところで,今あるレイアウトにしたら,一体どういう動線が出てくるのかということを私は簡単にできたのではないかなというふうに思うのですね。
 そうすると,いろいろなシミュレーションをやることによって,与えられた条件の中でもベストな配置というものが出てきたのではないかなと。評価はもう少し清田の場合は時間がかかるかと思いますけれども,せんだって見た限りでは,そういう気がいたします。
 今後,メンバーに,実績のある方々,図書館学の専門家などを加え,もう一つは,一般公募でその意見を言っていただける方を加えていただく。これは,手間暇かかると思いますけれども,民主主義ですから,手間暇かかるのは当たり前でありまして,今後,施設整備に当たって,どう取り組んでいくかについて,改めて見解をお示しをいただきたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  これまでもそういう今,先生のねらいと同じような形で懇談会を開催してまいったところでございますし,これからの建設に当たりましても,懇談会の委員の構成,あるいは立ち上げの時期,あるいは検討回数についても十分検討し,より適正な意見が図書館の建設に反映されるよう努めていきたいというふうに考えております。
 公募というご意見・ご提言につきましては,今後,しばらく考えさせていただきたいと思います。

◆川口谷 委員  岩本館長の答弁はなかなか率直で,非常にわかりいい。だから,やる気がないというのがすぐ見えてくるというか,ばれるわけですけれども,いろいろ答弁の段階がありまして,今のはほとんど研究よりももっと後ろかなという気がします。再質問と思いましたが,再質問はいたしません。とにかく私が申し上げた考え方は受け入れていただけると思いますので,実際の利用者が本当に「ああ,できてよかった」と思うような図書館をつくってもらいたいと思うのです。
 事前の話し合いなり,もみが足りないと,あとはもう建築に委託したと,そして,でき上がってくるのは,それはもう技術的にどんとでき上がりますけれども,先ほど来申し上げたようなことにつながると思いますので,この点は,要望は余り好きではありませんが,要望にしておきます。
 病院図書館につきましては,これはそもそも戦争で傷ついた兵士に本に提供するということからヨーロッパでスタートしたというふうに言われておりまして,北欧を中心に非常に発達をしていると伺っております。
 本市の場合,これは私の調べた範囲では,まことに寂しい限りでありまして,ほとんど病院図書館は存在をしていないというふうに理解をしております。
 読書療法ということが言われておりまして,これは東急病院の心療内科医師の樋口先生の見解でありますけれども,患者の症状や性格などに応じて本を処方すると,治療効果を発揮するという見解をお持ちであります。つまり,読む薬といいますか,そういう効用をこの先生は指摘されております。
 もう一方,日本病院図書館研究会の菊池 佑氏という方がおられます。昭和49年に病院図書館研究会を設立された方でして,この方は内科,外科の長期入院患者に対して,ハッピーエンドの闘病記や障害克服記が生きる勇気を与えるなど好影響をもたらすと,こういうふうに指摘をされておられます。
 そこで,病院図書館の効用についても改めて図書館行政の中でこれは取り上げてみる必要があるのではないか,その時期に来ているのではないかなと思いますが,この点の考え方,認識をお示しいただきたいと思います。
 二つ目は,本市の現状はどうなっているのか,この点についてお答えをいただきたいと思います。

◎岩本 中央図書館長  ただいまの質問の前に,先ほど先生のご質問に対してのお答えがやる気がないというふうにとられたようでございますけれども,そういう意味でございませんで,貴重なご意見として今後も検討させていただきたいということで,決してやる気がないということでないことをご理解いただきたいと思います。
 それで,ただいまのご質問でございますけれども,今のご提言につきましては,札幌市の図書館行政にとりまして,全く新しい事業でございますが,しかし,今のお話をお聞きしますと,図書館としてはやれるならやった方がいいのかなと,そういうふうに私自身考えますし,これについては,積極的に考えていきたいと思っております。
 それから,札幌市の現状ですが,十分承知しておりませんけれども,一般的には,各病院が独自の図書コーナーを設けたり,置いているということは結構あると思いますが,比較的図書コーナー的なもの,図書室的なものというものは,例えば市立病院には,新館になってから,各フロアに書棚を置いているというふうに理解しております。

◆川口谷 委員  病院図書館のことにつきましては,確かに余り聞きなれないし,新しい事業の範疇に入るかと思います。それだけに,ある意味では,これまで光の当たっていないテーマかなというふうに思います。
 そもそも病院に入りますと,不活発で,ベッドにいることが多いのではないかと。ラジオなりテレビから,受動的に情報を得るということに勢いなっちゃうと。しかし,本というのは,能動的にこちらから入り込んでいく作業でありますから,そういう意味でいいますと,本当に別な展開が期待をされると思いますので,私はそこに大いにかけてみたいということです。
 病院としましても,経営が非常に厳しいですから,軽々に人をそのためにふやすなんてことは,僕は実際問題できないと思うのですね。
 そこで,行政としてかかわっていく。しかも,行政も図書館は教育委員会,それから,福祉関係にかかわれば民生局,そうした縦割りの部分もあろうかと思いますけれども,そういうことも超越をして,少しでも医療費抑制につながるということであれば,大いにその分野に投資をすることによって,いい結果を期待していいのではないかなということを私は考えております。
 時間も時間でございますので,以上,申し上げまして,私は,これで終わりたいと思います。

○中嶋 委員長  第9項 社会教育費の質疑を終了いたします。
 ここで,委員会を休憩いたします。
    ──────────────
     休 憩  午後2時56分
     再 開  午後3時16分
    ──────────────

○中嶋 委員長  委員会を再開いたします。
 第2款 総務費 第2項 企画調整費中関係分及び第9款 教育費 第10項 体育費を一括して質疑を行います。

◆川口谷 委員  体育費にかかわりまして,ここからも見えますけれども,コミュニティドーム「つどーむ」のことについて2点質問を申し上げます。
 まず最初に,コミュニティドームの利用状況についてでありますけれども,これはご案内のとおり,6月15日にオープンして以来,4カ月を経過しておりますが,マスコミ報道などで知る限りでは,大変好調に利用されているというふうに伺っております。
 私ども議会の野球のチームも先日,道議会と,これは勝負の問題ではございませんで,施設の使い勝手等につきまして,やはり検証をさせていただきました。なかなか使い勝手のいいところと悪いところがありましたけれども,リサイクルフェスタに9万8,000 人集まったとか,各自治体を初めとする見学者が多数来訪しているということが言われておりますが,施設の利用状況が現在どういうふうになっているのか。
 それと,スポーツの利用状況が他の催し物,イベントなどと比較してどういうふうになっているのか,お伺いをしたいと思います。
 もう1点は,このコミュニティドームの屋外施設の利用時間帯のことでございます。
 屋内施設のコミュニティドームは,早朝野球に対応して,朝は5時半から夜9時までと,これは本市の公共施設としては,例外的に長時間の開放になっています。これは,市民生活が大変多様化しているという今日的な状況の中では,大変努力いただいているというふうに理解をいたします。
 しかし,それに比べますと,屋外のテニスコート,現在はテニスコートしか供用を開始しておられないのではないかと思うのですが,テニスコートなどは午前7時から午後9時までと。夜間照明付ですので,こういうことになっております。
 このコートは,オムニコートになっていまして,相当量の雨が降ってもプレー可能な現在の技術レベルでは一番進んだコートであります。
 それだけに私は,やはりもっと幅広く,なるべくすき間なく利用していただくのが望ましいのではないかなというふうに思うのですね。
 早朝ゴルフというのをご存じの方もおられるかもしれません。そちらに座っている方で,早朝ゴルフで私と会った方もおられますけれども,これは日が上ると同時にスタートをして,例えば朝8時とか8時半までにホールアウトして帰っていただくというやり方ですが,同じようなことがこのコミュニティドームでできないものかどうかというふうに思います。
 ゴルフ場の場合は,車で30分,1時間ぐらい行かないとございませんけれども,コミュニティドームの場合は,極めて街から近いという優位性を持っておりますし,それから,あそこの立地条件がほかの公園などの施設との比較でいうと,一般住宅とか集合住宅が近辺にはほとんどありません。ですから,そういう近隣の問題も余り起きないところだというふうに思います。
 私のところにも,出勤前に一汗流したいのだけれども,朝7時からというのでは仕事に間に合わないという声が寄せられております。そこで,せめて朝の6時からでも利用できるなら,大変都合がいいということであります。
 そういうわけでありまして,屋内が朝5時半からというのであれば,ぜひ,屋外のテニスコートなどについても,早朝から利用できるように改善いただけないものかどうか,この点についてお伺いをいたします。

◎小川 体育部長  スポーツ交流施設についてお答えをいたします。
 まず,1点目の利用状況でございますが,平成9年度は,屋内・屋外施設を合わせまして20万人の利用を見込んでいたところでございますが,オープン以来,9月末までで,屋内施設のコミュニティドームで20万6,000 人,屋外施設で4万5,000 人,合計で25万1,000 人の利用がございました。
 これに市民見学会ですとか,他市町村からの視察などの見学者8万3,000 人を加えますと,スポーツ交流施設を訪れた市民の方々は,総数で33万4,000 人となっております。
 利用の内訳でございますが,スポーツ利用で2万9,000 人,集会・式典などで6,000 人の利用があり,その他フリーマーケットなどの物販や大相撲などで21万6,000 人の利用がございました。
 件数で申し上げますと,スポーツ利用の1,097 件に対しまして,集会・式典で4件,その他催し物で25件となっておりまして,スポーツ利用は総件数の97%を占めております。
 さらに,平成10年3月までのドームの利用率でございますが,土曜・日曜・祝日で8割,平日で7割の利用の申し込みとなっております。
 ちなみに,スポーツ利用の内訳でございますけれども,野球とソフトボールが一番多く,次いで運動会,テニスの順になっております。
 その他の利用では,先ほどもお話にございましたリサイクルフェアが非常に好評を博しておりまして,既に屋内で5回,屋外で3回利用されておりますけれども,毎回1万人以上の方々でにぎわっております。
 2点目の屋外テニスコートの早朝利用についてでございますが,ご指摘にもございましたように,勤務に間に合うような利用時間帯にしていただきたいですとか,あるいは,夏の土曜・日曜は7時から満員の状況でお断りをせざるを得ない状況にありました。今,委員のご指摘にもございましたし,また,利用者等の要望もございますので,来年度からの実施に向けまして,前向きに検討させていただきたいと,このように考えております。

◆川口谷 委員  最初に前向きな答弁をいただきましたので,そのことについては評価をいたしまして,ぜひ,できるだけ早い時期から早目のオープンといいますか,供用について実現をしていただきたいというふうに思います。
 ところで,予想を超える方々がこのスポーツ施設を訪れていることについては大変喜ばしいわけでありますけれども,もう一つは,利用人数だけではなくて,やはり収支の状況ということについても関心を寄せざるを得ないわけです。
 以前にも質問したところでございますけれども,市民の生活時間帯が多様化していることから,夜間の開放時間についても,地下鉄の最終ダイヤに間に合うような時間まで延長できないかということについても,具体的にこの点どう取り扱いができるのか,再度質問をしたいと思います。
 なお,スポーツ振興事業団に委託をするという経営の状況にありますけれども,私が数度訪れて,いろいろ実際に申し込みの手続,あるいはお金の支払いなどをやってみますと,非常に事務に煩雑さがありまして,実際的ではありません。これは運用の問題ですけれども,これらについても相当改良の必要があるのではないかなというのが一つございます。
 それと,屋内の施設で,今,ソフトボールとか,野球とか,運動会とかございましたけれども,土の部分がすごくかたくなっています。ほこりどめに,にがりか何かをまいておられるのだと思いますが,ほとんどもう土がアスファルト状,それに近いぐらいのかたさになっちゃって,特に野球系の利用をする場合に,これは非常に使い勝手がよくないです。この点は早急に改善していただきたいと思います。うっかりあそこで滑り込もうものなら,たちまちすりむけるということになります。
 それともう一つ,天井部分と地上の壁部分の間にずっとすき間がありまして,自然光を取り入れるつくりになっていますけれども,これも私どもが実際野球をやりまして,外野にボールが飛ぶと,どなたも外野フライをとってくれないのですね。これは,私どもの選手がどうのこうのということではなくて,やはり自然光と天井のライトのコントラストでボールが見えない。技術上,問題のある人もいたように思いますけれども。
 これは,ほぼ共通した難点だと思いますので,この点もどういうふうに考えておられるのか,あわせてお答えいただければと思います。

◎小川 体育部長  まず,1点目の収支の状況についてでございますけれども,9月末までの実績と今後の申し込み状況から,今年度の収支を予測いたしますと,1億5,800 万の支出見込みに対しまして約6,000 万円の収入見込みとなっており,収支率に直しますと約38%となっております。
 次に,夜間の時間延長につきましては,施設の管理運営体制等の問題もございますので,使用実態を勘案しながら,今後の研究課題とさせていただきたいと存じます。
 3点目に,施設の改善について,いろいろお話がございました。
 申し込み手続の簡素化,あるいは屋内コートの塁ベースの土のかたさ等についてございました。できるものから速やかに改善してまいりたいと考えておりますけれども,大きな予算を伴うものについては,なかなか難しい問題があると思いますが,できるだけ利用者に親しまれる,使いやすい施設にしてまいりたいと考えておりますので,よろしくお願いいたします。

◆川口谷 委員  最後,意見といいますか,指摘になると思いますけれども,6月からオープンして,今は10月の下旬ですけれども,期間的には短い。それで,収入率が38%ですか。まだ,これから冬場に向かいますので,どれだけ申し込み状況があるかということともかかわってまいりますけれども,計画をした収入の確保について,最大限の努力をしていただきたいというふうに思います。
 それと,今,夜間の地下鉄ダイヤとのかかわりでいうと,研究課題とさせていただきたいということは,理事者の答弁のレベルからいうと前向きの検討から検討,研究課題と,だんだん下がっていくわけでして,一番最後のところの答弁だと思います。
 やらないということに響くのですけれども,そうではなくて,ぜひ地下鉄の需要喚起という立場からも検討いただきたいと思います。
 もう一つ,地下鉄の需要喚起の部分で言いますと,一般的にコミュニティドームが地下鉄の需要喚起につながっていないという指摘がなされておりますけれども,私の見た範囲では,特にイベントのときは,かなりの利用客増と私は感じておりますけれども,この点,もし,とらえているものがあれば,最後にお聞かせをいただきたいと思います。
 それと,再度申し上げますが,スポーツ振興事業団が手続的には大変煩雑な作業をやっておりまして,それは改善するというお話ありましたが,物理的に人手不足の状態にあることは間違いありません。
 これについては,早急に何らかの改善を行って,やはり現場が本当にこれだけの施設で十分にサービスできる体制を構築していただきたいということを申し上げて,終わりたいと思います。

◎小川 体育部長  地下鉄の利用について,需要に貢献しているかというようなお話でございますけれども,私ども詳しく分析はしておりませんけれども,先日,交通の方に問い合わせましたところ,東豊線の地下鉄全体の利用が下がっている中で,栄町につきまして6月,7月と伸びを示しておりますので,そういった意味では,先ほど説明いたしましたけれども,33万人のうちの何割かの方は当然に地下鉄を利用されているということがうかがえますので,私どもとしては,需要に貢献しているというふうに考えております。
 コミュニティドームの人員体制につきましては,今ご指摘ありましたように,大変厳しい中で,職員の方,一生懸命やっていただいております。
 今後,委員のご指摘も踏まえながら,改善できるところにつきましては改善するように私どもも努力してまいりたいと考えております。

◆高橋[功] 委員  私からは,2002年ワールドカップサッカー大会について質問をさせていただきたいと思います。
 ご承知のとおり,明年,フランスでワールドカップが開かれるということで,現在,我が日本チームも出場権をかけて熱戦を繰り広げておる。先日,一時は,自力での出場の可能性がなくなりましたけれども,また,自力での出場の可能性が復活をしたということで,来週26日のUAE戦が大変注目をされているところでございます。
 2002年大会は日本と韓国で共催をされるということでございますから,当然,開催国であるということで,自動的に我が日本チームも2002年ワールドカップ大会には出場権が得られるということでございます。
 ただ,大会は2002年ですが,当然のことながら,その前の年の2001年にはプレ大会が開催をされますので,前年には,少なくとも本大会がいつでも開催できる状況になっている必要があるということでございますので,そう考えますと,既にもう5年を切っていると見るべきだなというふうに思っております。
 そこで,まず,ことしの11月にも設立をされると伺っておりますが,財団法人日本組織委員会について数点お尋ねをしたいと思います。
 この組織委員会は,2002年ワールドカップ日本開催の全体を総括する運営組織ということでございますので,業務量としては大変なものだろうと思います。その事務局は相当数の職員配置を要する体制づくりが必要かなと思いますので,現時点で,どのような体制の計画になっておるのかお示しをいただきたいと思います。
 また,健全な財団運営を確保する上で,組織委員会事務局への開催自治体,本市も国内開催の10自治体のうちの一つでありますが,開催自治体の職員派遣が不可欠でないかと思いますけれども,自治体職員の派遣についての計画があれば,お聞かせをいただきたい。
 それから,開催地における運営組織についてでございますが,開催地には,それぞれ大会運営委員会,こういったものが組織されると伺っておりますが,この設立時期,それから組織体制をどのようにお考えなのか。また,開催地運営委員会の設立に当たっては,現在,組織されております札幌市開催準備委員会はどうなっていくのか,あわせてお尋ねをしたいと思います。

◎小川 体育部長  2002年ワールドカップサッカーにつきましてお答えをいたします。
 最初に,日本組織委員会の組織体制と開催自治体の職員の派遣についてお答えをいたします。
 まず,組織委員会の事務局職員の配置についてでございますけれども,今,設立の準備を進めております日本開催準備委員会の計画では,組織委員会設立後,業務内容や業務量に応じまして,逐次機構の見直しをし,事務局職員の増員を図っていくこととしておりますが,現在の計画では,設立時に36名,大会が開催されます2002年には,最大212 名の事務局体制を想定しております。
 次に,私ども開催自治体職員の派遣についてでございますが,さきの文教委員会でもお答えしておりますが,職員の派遣につきましては,前向きに検討をしてまいりたいと考えております。
 派遣の時期及び人員につきましては,今後,組織委員会や他の開催自治体とも十分協議を行い,しかるべき時期に職員を派遣してまいりたいと考えております。
 2点目に,開催地の運営組織についてお答えをいたします。
 まず,開催地運営組織の設立時期及び組織体制についてでございますが,今後,日本組織委員会と開催自治体との間で,開催地運営組織の果たすべき役割分担などについて協議することとなっておりますので,それを踏まえて検討してまいりたいと考えておりますが,2002年の大会時の事務局体制は,本市職員あるいは地元サッカー協会など関係諸団体を含めまして,最大25名の体制を見込んでおります。
 なお,開催地運営組織の設立に向け,来年度以降,本市推進体制の充実も図ってまいりたいと考えてございます。
 次に,札幌市開催準備委員会についてでございますが,この委員会は,市長を会長に,行政,経済,スポーツ団体,マスコミといった関係諸団体で構成されておりまして,これまでキャンペーン事業を実施するなど,札幌開催を支援してまいりました。
 設立を予定しております運営組織におきましても,これら関係諸団体の協力が必要でございますので,今後,運営組織の設立とあわせまして,そのあり方につきまして検討してまいりたいと考えております。

◆高橋[功] 委員  ぜひ各開催地の運営組織の設立,また運営につきましては,遺漏のないように進めていただきたいと思います。
 ところで,札幌大会の会場には,当然,仮称札幌ドーム「ホワイトドーム」が予定をされておるわけでございますが,これは2001年春には完成というふうに伺っております。
 そこで,この施設は大変世界にも誇れる施設といいますか,天然芝と人工芝の転換システムを持つ,そういう意味では,世界で初めての施設だということで注目もされております。
 そこで,皆さんも当然,関心をお持ちだと思いますが,まだ先の話とはいえ,日本でワールドカップが開かれることになった,札幌を含めて国内10の自治体で開催が決まった,そこで,どういう組み合わせといいますか,試合が行われるのかと,大変興味のあるところだと思うのですね。
 これは,もちろんワールドカップですから,それなりのレベルで勝ち抜いてきた国々が32チームと伺っておりますが,競うわけですけれども,あれだけ皆さん方も札幌招致に向けていろいろ尽力もされて,札幌市長を先頭に誘致をされたわけですから,できることなら日本絡みの試合がぜひ札幌で見たいものだなと,大変身勝手な話かもしれませんが,これは偽らざる市民の希望でないかと私は思っておるのです。
 そこで,2002年大会の組み合わせ抽選会は,いつ,どこで,どのような形で行われるのか,お伺いをしたいと思います。
 それから,当然開催自治体として本市も,施設整備を初め,出捐金の拠出等,大会の開催に大きな役割,支援を行っているわけでございますし,今申し上げたように,仮称札幌ドームは世界に誇るすばらしい施設だということでもございますので,こういったことを積極的に訴えかけることで,開催地の意向が反映されないものか,何とか日本絡みの試合が札幌に誘致できないものかと期待するのですがいかがか,お答えをいただきたいと思います。
 それから,チケットのことでございますが,さきに行われました日韓戦では,入場券を手に入れることのできなかった方が大変多くおられたということで,2002年のワールドカップにおきましても,好カード,特に準決勝だとか決勝だとかということになりますと,チケットの入手は極めて困難になるのだろうと思います。
 そういうことから,チケットの購入については,それなりの配慮がなされてしかるべきではないかと考えておるのですが,この点についていかがか,あわせてお伺いをしたいと思います。

◎小川 体育部長  3点のご質問でございますけれども,まず,2002年大会の組み合わせ抽選についてお答えをいたします。
 ワールドカップサッカーの組み合わせ抽選時期についてでございますが,FIFAは2002年大会の抽選時期をまだ明らかにしておりませんが,大会前年の12月に行われるのが通例でございます。なお,FIFAと日韓との協議によりまして,抽選会は韓国で行うことが決まっております。
 なお,大会形式は,32チームによる64試合で行われますが,予選ラウンドは両国でそれぞれ4チームずつの4グループに分かれて行われます。
 ちなみに,日本では,国内10会場地を1グループ2ないし3会場地の4グループに分かれて32試合行われるものと考えております。札幌では最低3試合が保証されております。
 このほか,開幕戦と3位決定戦は韓国で,決勝戦は日本で行われることが決定してございます。
 次に,組み合わせ抽選に開催地の意向が反映できないかということについてでございますけれども,組み合わせ抽選はFIFAが公平を期すために,公開の場において行っておりますが,今までの大会の組み合わせを見ますと,参加チームの地域バランスに配慮するなど,決勝戦まで魅力ある試合が展開されるよう工夫されております。
 FIFA史上初めての日韓共催ということで,どういった抽選方式になるかは,現時点では不明でございますが,ワールドカップの参加チームは,世界の200 の国・地域の中から勝ち抜いた強豪チームでございますので,たとえどのような組み合わせになったとしても,魅力ある試合が展開されるものと考えております。
 最後に,チケット購入への配慮についてお答えをいたします。
 これまでの大会では,チケット総数の3分の2が開催国内で,3分の1が海外で販売され,ほぼ完売に近く,開催国内でもチケットの確保が難しいと聞いております。
 私どもも,委員のご指摘のとおり,多くの市民・道民の方々に,ワールドカップサッカーを観戦していただきたいと考えておりますので,地元でのチケット購入に十分な配慮がなされるよう,日本組織委員会に強く要望してまいりたいと考えております。

◆高橋[功] 委員  よくわかりました。
 いずれにしても,確かに札幌だけの都合で,いいカードばかりというわけにいかないことはよくわかりますが,ぜひ体育部として,今申し上げたことも本当に念頭に入れて,札幌オリンピックに勝るとも劣らない大変な大会でもございますので,札幌の市民が喜べるカードになりますように,最大の努力をお願いをして,質問を終わりたいと思います。

◆横山[博] 委員  私も,体育・スポーツの振興にかかわって質問させていただきます。
 まず最初に,担当部長の小川部長に,体育・スポーツの持つ意義について,ぜひお尋ねをしたいと思います。

◎小川 体育部長  体育・スポーツの持つ意義ということについての私の考えということでございますが,体育・スポーツは,言うまでもなく,私どもの体を鍛えると同時に,心の健康の維持のためにも極めて重要なものというふうに考えておりますし,また,地域でのスポーツ振興は,単にコミュニティ形成,住民同士の触れ合いといったようなことで,今,都市化の中で失われております近隣関係を醸成するためにも大いに意義があると考えております。

◆横山[博] 委員  大変心強いご見識を伺いまして,安心しました。ぜひ,そういう立場で体育・スポーツ振興のために力を尽くしていただきたいということを最初に要望させていただいて,質問をいたします。
 平成4年にスポーツ振興基金が設立をされました。この目的は,この基金の利息をスポーツ振興のために運用するということで設立をされたわけですけれども,年次を追ってみますと,なかなかその計画どおりにはいっていない実態があります。
 今,この決算で審議している平成8年度が,この基金の10億円の目標を達成する年次であったわけですけれども,しかし,実際その到達点は66%となっています。
 この積み立てをする収入なのですけれども,例えば,この計画では,積み立てが始まって1年後は5,000 万を見込んで,そういうふうに計上されていますが,次の年は3,000 万,3,000 万と,計画どおりにはいっていないのですね。いろいろな要因があるというふうには思いますけれども,いずれにしても,円滑に事業を進める上で,スポーツ振興基金を目標どおりやられることが求められているのではないかと。その辺の現時点での到達点に対するご認識と,また,この目標どおりやるためにどんな対応・対策を考えられているのか,そのお考えをお示し願いたいというふうに思います。
 私は,再三にわたって,今,部長がご答弁になった体育・スポーツ振興の意義をさらに進めるというか,それを位置づけるというか,そういう立場で,何回かこの問題について質問をさせていただいてきました。昨年の委員会での私の質問で,例えば,スポーツ少年団等に対しての助成・補助,それから,各種競技の協会に対する支援,それを求めてまいりましたけれども,昨年の議会のときには,新しい事業を展開をしていく,そのもとで助成の措置を進めていきたいというふうにお答えになっていらっしゃるのですね。
 ですから,この1年間,そのご答弁に基づいて,どのように対応・対処されてきたのか,お示しを願いたいと思います。
 スポーツ少年団の団体数は近年ふえています。いろいろなスポーツ競技がふえているわけですけれども,これは好ましいことだというふうに思います。しかし,実際には,スポーツ少年団の団員数は逆に減ってきています。
 スポーツのすそ野を広げる,競技力を向上する,力のあるというか,有能な選手を育てるすそ野を広げるためには,スポーツ少年団の育成が必要ではないかというふうに思いますけれども,少子化とかいろいろな要因があると思いますが,団員数が減っていることに対しての対策,対処をどのようにお考えなのか,お示しを願いたいと思います。
 「札幌市の教育」の中に,新しい事業だと私は思うのですけれども,体育・スポーツ振興計画策定の検討を進めているというふうな記載がありますけれども,この中で競技力の向上事業,普及促進のための事業について検討されるのか,この計画の中にそれが盛り込まれていくのかどうか,その辺のご見解をお示し願いたいと思います。

◎小川 体育部長  スポーツ振興基金についてのお尋ねについて,まずお答えをいたします。
 委員ご指摘のとおり,スポーツ振興基金につきましては,平成4年度,当初,市で5億円を積み立てまして,平成8年度までで10億円の達成を目標としておりました。
 しかし,今お話にございましたとおり,長期化している景気の低迷によりまして,当初,広告料収入を年間5,000 万円と予定していたものが3,000 万円にとどまった。あるいは,民間からの寄附が容易に集まらないといったようなことが大きな要因となりまして,現在6億6,000 万円という数字にとどまっております。
 私ども,この基金から発生する果実によりまして,市民スポーツ振興事業ですとか,選手の育成強化事業,あるいはスポーツ交流事業などに充てることとしておりましたので,景気の低迷によりまして,目標を達成していないということは非常に残念な事態と認識しております。
 しかし,私どもといたしましては,これらの事業の重要性にかんがみまして,厳しい本市の財政状況ではございますけれども,不足する部分を一般会計から補いまして,事業を遂行するための財源の確保に努めているところでございます。
 2番目に,新しい事業ということでのお尋ねでございましたけれども,委員が前回ご質問なさった部分,スポーツ少年団にかかわる新しい事業というふうに考えて答弁をさせていただきたいと思います。
 スポーツ少年団が,平成8年度から札幌市スポーツ少年団の健全な育成と活動の活性化を促進するために,道内各都市のスポーツ少年団との交流を図る目的で事業を実施しております。
 交流の方式といたしましては,本市のスポーツ少年団が他都市を訪問した翌年に,訪問地のスポーツ少年団を本市のスポーツ少年団が受け入れるといった相互交流を基本に事業を展開しております。
 この事業に対する本市のかかわりでございますけれども,スポーツ振興基金を財源といたしまして,50万円の予算措置をしているところでございます。参加団体ごとに,派遣につきましては20万円,受け入れにつきましては5万円を限度として助成をしているところでございます。
 平成8年度につきましては3団体の派遣,今年度につきましては,1団体の派遣並びに3団体の受け入れについて助成をしているところでございます。
 次に,スポーツ少年団の登録団員数の減少について,どういったようなことをやっているかということでございますけれども,スポーツ少年団の育成につきましては,財団法人札幌市体育協会の札幌市スポーツ少年団が一義的に行っております。私どももその団体と連携を保ちながら,広報活動等の努力をしているところでございます。
 いずれにいたしましても,少子化といったような中で,各少年団体,スポーツ少年団にかかわらず,減少化といったような傾向は否めないところであります。
 なお,日本体育協会におかれましては,大都市における少年団員の減少化といったようなことに危機感を抱きまして,大都市モデル地区事業というのをやっています。
 それと選手強化事業につきまして,今後,策定するスポーツ振興計画の中に取り入れていくかというようなお話でございました。
 スポーツ振興計画につきましては,広い分野からいろいろな角度で,市民スポーツの振興あるいは競技力向上といった観点で考えていく必要があろうかと思いますけれども,具体的に内容を検討する段階で,当然にそういった内容についても,検討・協議されることとなるものと考えております。

◆横山[博] 委員  基金のことですけれども,やはり基金そのものの目標を達成されて,当初の目的を果たしていくと。その点での財源措置を教育委員会というか,各機関・各方面に働きかけをしていくと。ざっくばらんに言えば,基金を早く目標達成するように財政に適切な財源措置をしてもらうと。
 その上で,やはりそれぞれの協会・連盟に対して,もう少し手厚く補助金を出すという,そういう踏み込んだ,いわゆる物心両面でスポーツ振興のために頑張っていただくということが求められているのではないか。私自身はそうしてほしいと思うのですね。
 例えば,これは5年度の資料しかありませんから,直近の年次についてはわかりませんけれども,各協会や連盟から補助金の申請額が出されています。この申請に対して,やはり配分額というのは,かなり下回っている部分もあります。
 それから,選手の育成という点では,指導者の育成が欠かせないわけですけれども,指導者にかかわる財源措置が全くなされていない連盟もあるというところでは,かなり教職員や,札幌市の制度の中にもある体育指導員の方たちが,ある意味でボランティア的にスポーツ振興のために頑張ってくださっているということが補助金の実態を見ても明らかなのではないかと。
 そんな意味でも,先ほどもお話ししましたように,物心両面で競技力の向上,それからスポーツを通しての健全な青少年の育成という観点からも,財政措置をもう少し手厚くすべきではないかと。そのためにどんな努力をされるのか,もう一度お尋ねをしたいと思います。
 それと,今,部長がお答えになった日体協の方のモデル地区事業ということなのですけれども,事業期間としては3年間ということで,主にその事業は,実態の把握といろいろな研究,スポーツ少年団の育成にどんなことが必要なのかというような研究をなさるということです。3年間の時限つきなのですけれども,これは具体的にどんな形で調査がされて,どんな形でこれからこれがまとめられていくのか。
 この事業が打ち出されたのは,昨年の12月ですので,まだ10カ月ほどしかたっておりませんけれども,実際に作業状況はどんなふうになっているのか,お示しを願いたいと思います。

◎小川 体育部長  スポーツ振興基金の造成につきまして,財政にというお話でございますけれども,平成4年度にこの基金を造成するに当たりまして,教育委員会としては5億円,市で積んでいただいて,残りの5億円につきまして,先ほどご説明したように,広告料収入相当で10億円というようなお約束で財政のご理解をとって進めた事業でございますので,今後,やはり広告料収入あるいは寄附金ということに頼らざるを得ないのかなと思います。広告料収入,寄附金等も景気の動向に強く影響されるわけでございますし,また,広告料につきましては,内容につきましていろいろと議論を呼んで,全市的な体育施設についてのみ広告料というようなこと,また,公の施設としての制約もございますので,なかなか厳しい条件もございますが,やはり市民スポーツの普及振興を目指して創設されましたスポーツ振興基金の意義にかんがみまして,今後とも私ども努力してまいりたいと,このように考えております。
 次に,競技団体への物心両面にわたるお話でございますけれども,本来,スポーツは自主的に行うもの,これがスポーツの原点だというふうに社会体育のスポーツは考えておりますので,どこまで行政が支援にかかわっていくかといったところは大きな問題があろうかと思いますが,私ども,札体協を通じまして,競技団体の選手育成強化につきましては,意を用いているところでございまして,平成6年度から3年間にわたりまして,この事業費の増額に努めてまいりましたので,現在のところ,この数字の中で行ってまいりたいと考えてございます。
 それから,日体協のスポーツ少年団の大都市モデル事業の概要についてというご質問でございますけれども,この事業は,先ほどもお話しいたしましたように,大都市でのスポーツ少年団の登録団員数が減少する傾向にありますことから,団員数の増加と活動の活性化を図るために,日本体育協会が大都市のスポーツ少年団を事業対象に選定をいたしまして,調査研究を委託するものであり,お話にございましたように,事業期間は3年間,助成金は1年間につき,上限100 万円が交付されるものでございます。本年度は,札幌市スポーツ少年団のほか7都市の少年団が事業対象に選定されております。
 本市スポーツ少年団の取り組みについてでございますけれども,昨年12月から事業を受けておりますが,まず,少年団関係者あるいは学校関係者,行政関係者で研究班を編成いたしまして,関係機関・団体との連携強化,組織の拡大といった2項目をテーマにしておりますけれども,今年度は少年団の実態調査をし,課題の抽出とその分析を行うこととなっているというふうに聞いております。平成11年度に,事業結果をまとめて日体協の方に報告書を提出すると伺っております。

◆横山[博] 委員  また質問するつもりはなかったのですが,今,お答えの中で,スポーツは自主的な活動だ,だから行政がどこまでというご答弁がありましたけれども,自主的な活動だからこそ,公的な支援が必要なのです。
 ある有名な選手が,自分は企業の広告塔だと言いながら競技をやっているという,今の日本のスポーツ界は大変ゆがんでいるというふうに私どもは考えています。
 そういう点では,先ほど一番最初になぜ担当部長に体育・スポーツの持つ意義をお尋ねしたかというと,そういうことも含まれているわけですね。健全なスポーツの振興のためには,やっぱり公的な支援というものが今の日本のスポーツ界には必要なのですね。
 施設はどんどんできるけれども,実際の競技や日常の会の運営にはなかなかお金を出さないで,きゅうきゅうしているという実態,このギャップをどう埋めるかという,これは,これから議論させていただきたいと思います。

◆新山 委員  私から,大倉山ジャンプ競技場の再整備についてお尋ねをいたします。
 国際スキー連盟(FIS)のルール改正に伴い,平成7年から全面的な改修工事が行われてきたジャンプ台も間もなく完成ということで,つい先日の10月10日には,国際スキー連盟のジャンプ台設計委員長がサマージャンプ台としての公認検査を行い,無事に公認証が交付されたと伺っております。
 また,この公認検査と時を同じくして,全日本メンバーらが合宿を組み,サマージャンプ台として新たに誕生した大倉山の感触を確かめたとの報道がなされております。
 来年の2月には,長野オリンピックが開催されますが,このオリンピックで最もメダルが期待される日本ジャンプ陣にとって,大倉山の新しいジャンプ台は力強い後押しをしてくれるものと思います。
 さて,ジャンプ台の改修を終え,来年度からは,競技運営本部やリフトといった競技関連施設に加えて,大倉山に至る道路や駐車場など,競技場の周辺を含めた再整備が行われると承知をいたしております。
 この大倉山の再整備に関して,我が党の先輩議員が過去にそれぞれ代表質問や特別委員会で質問,提言をいたしておりますが,このことを踏まえた上で,改めて来年度から具体化される再整備事業の内容について,質問をさせていただきます。
 1点目は,大倉山ジャンプ競技場の再整備に当たっての基本的な考えであります。
 特に,私どもが過去に申し上げました大倉山ジャンプ競技場を活用した札幌オリンピック開催の意義の継承や通年利用の促進ということがどのように生かされているのか,施設整備の具体的な内容等を含めてお聞かせをいただきたいと思います。
 2点目は,今後のスケジュールについてお伺いをいたします。
 平成8年度からのジャンプ台の工事に伴い,ジャンプ大会の開催日を除いて,競技場に入れない状態が続いているわけでありますが,来年度から,また再整備の工事が始まると,今後もしばらくこのような状態が続くものと思われます。
 年間100 万人を超える来場者があり,札幌でも有数の施設であることを考えた場合,一日も早い完成が望まれるわけでありますが,いつ再整備が終わるのか,どの時点から市民や観光客が大倉山ジャンプ競技場を自由に見ることができるのか,お聞かせを願いたいと思います。

◎大根田 大倉山事業推進担当部長  大倉山ジャンプ競技場の再整備に関しますご質問にお答えいたします。
 まず,再整備の内容等についてでございますが,再整備の計画策定に当たりましては,3点の基本方針のもとに具体的な施設整備を進めているところでございます。
 1点目は,国際レベルの競技場として世界に誇れる競技機能と観戦機能の充実でありますが,ジャンプ台につきましては,ただいま委員からお話がありましたように,冬の台に続きまして,夏の台としても国際スキー連盟の公認を先日いただいたところでございます。
 また,ナイターもできるように,照明設備等の整備も進めているところでございます。
 さらに,競技運営本部の規模や機能の拡充,選手,役員など競技関係者にとって利用しやすい施設整備を図るとともに,国際大会の会場にふさわしく,テレビやラジオを初めとする報道関係の利用についても配慮した施設整備を考えております。
 また,観戦機能の充実という面につきましては,冬期間の競技が中心でありますことから,インターバルに暖をとったり,屋内からの観戦にも利用できるスペースを確保したいというふうに考えております。
 2点目は,市民,観光客の利便性の向上でありますが,既存のリフトを2人乗りに改善するほか,山頂のスタートハウスに展望ラウンジを設けたり,今までなかったトイレなども整備したりというふうに,山頂のスタートハウスの整備によりまして,より利用しやすいような形での施設整備と競技場全体の緑化を進めますとともに,芝生観覧席の多目的な利用が可能になるよう階段状に緩やかな芝生席を整備したいというふうに考えております。
 3点目は,大倉山の集客力を活用したウインタースポーツの振興についてでありますが,中島公園の冬のスポーツ博物館を大倉山に移設し,冬季オリンピック札幌大会はもちろんのこと,これまで札幌に蓄積されましたウインタースポーツに関する多くの貴重な資料を展示するほか,新たにウインタースポーツの疑似体験ができる機能などを持たせまして,より多くの方にウインタースポーツに対する関心を高め,興味と理解を深めていただきたいと考えております。
 ご質問の中にございました冬季オリンピック札幌大会の意義の継承や通年利用の促進につきましては,ただいま申し上げました各施設の整備の中で実現してまいりたいというふうに考えております。
 次に,2点目の質問でございますが,施設の完成時期等についてです。
 リフトやスタートハウスにつきましては,平成10年末に完成させますが,競技運営本部やミュージアム,あるいは駐車場整備等につきましては,平成11年度末の完成を予定しております。
 したがいまして,市民や観光客の皆さんに改善後の競技場を自由に見ていただけるようになる時期は,現在のところ,平成12年4月を予定しているところでございます。

◆新山 委員  施設整備に対する考えについては理解ができましたが,具体的な施設の整備に関して,1点質問をさせていただきます。
 大倉山で実際に競技を見た方はわかると思いますが,ジャンプ台の構造上,観覧席からは選手のスタートや踏み切り,そして着地までを完全に見ることができません。場合によって,アプローチを滑りおりる選手の姿が全く見えないところもあるわけで,これでは観客がジャンプのだいご味を十分味わったとは言えないのではないかと思います。
 一方,ノルディックの本場ノルウェーでは,リレハンメルやホルメンコーレンなど,国際的なジャンプ大会の会場となる競技場には大型の映像装置が設置をされ,大いに観客を楽しませております。
 また,長野オリンピックの会場となる白馬のジャンプ場でも,オリンピックのときには大型映像装置を設置して,大会を盛り上げると聞いております。
 これらのことを考え合わせますと,大倉山にも,今回の再整備を機会に,当然この大型映像装置を設置すべきと考えますが,どのように検討しているのかお尋ねをいたします。
 最後に,これは要望となりますが,先ほどの答弁を聞いて非常に残念に感じたのは,平成9年にはジャンプ台が完成をし,平成10年にはリフトやスタートハウスが完成するにもかかわらず,市民や観光客は平成12年にならなければ競技場に入れないということであります。せっかくつくった施設を1年も2年もむだにするのは,いかにももったいないような気がいたします。
 大倉山のジャンプ台を見たい,あるいは大倉山からの眺望を楽しみたいという市民や観光客の期待には,できるだけ早くこたえるよう工夫が必要ではないかと思います。
 工期そのものを短縮することが難しいのは承知をしておりますが,例えば,工事の早く終わったところから,あるいは工事に支障のないところから,部分的にでも結構ですから,一日も早く市民や観光客の皆さんが大倉山ジャンプ競技場を利用できるよう努力をしていただくことを要望して,質問を終わります。

◎大根田 大倉山事業推進担当部長  大型映像装置の件についてお答えいたします。
 この装置の件につきましては,ワールドカップを初めといたしまして,毎年多くの国際大会が大倉山競技場において行われておりまして,委員ご指摘のように,大型映像装置を設置することの必要性については,私どもも承知しております。
 当初,固定式の大型映像装置の設置を検討してまいりましたが,価格が非常に高く,また,他に利用できないなどの問題点がございますことから,宮の森ジャンプ競技場や白旗山競技場,また各区の行事などにも利用することも視野に入れながら,移動が可能である車載型の大型映像装置の導入が可能かどうかについて,現在検討を進めているところでございます。

◆村山 委員  それでは,最後でありますから,簡潔に質問をさせていただきたいと思います。
 まず,今,新山さんから質問があったのでありますけれども,平成12年に一般に公開をするということでありますが,一,二年,完成しても市民が見られないということでありますが,これ年間たしか80万くらいの観光客が山に上がって,収入が1億ぐらいあるのかな。大変もったいない話でありますから,これについては,一日も早く観光客や市民に開放するように,ひとつ大長助役さんと教育長さんによろしくお願いをしたいと思います。
 それで,大変恐縮なのですけれども,私,ローカル版で質問をさせていただきたいと思っておりまして,実は発寒の温水プールの件について,確認を含めて二,三質問をさせていただきます。
 発寒の温水プールは,昭和49年に札幌市で初めての温水プールということで,鉄工団地協同組合に協力をいただいて,現在の場所に設置をしたというふうにお伺いをしております。
 当時のプール行政を振り返ってみますれば,中島公園にプールがあったり,あるいはまた,各学校に若干でありますけれども,少しずつ設置をという時代かなと。私どもの小さいころというのは,手稲山からの湧水だとか,あそこの川というのは清水でありますから,発寒川に行って,よく泳いだりだとか,親しんだ記憶があるのであります。
 この発寒温水プール,非常に市民の方々や地域の方々から利用されて,その頻度が高いというふうにお伺いをしておりますし,近年,ただ単に泳ぐだけでなくて,水泳の教育だとか,老人の方々も随分,健康保持のためにこの温水プールを使っているというふうにお伺いをしております。
 そこで,質問をさせていただきますけれども,発寒の温水プール,どのような経緯で設置をされたのかお伺いをしたいと思います。
 それから2点目でありますけれども,平成7年,それから平成8年の利用状況をお伺いしたいなと思っております。
 今年度,清田が分区になりますと,当然,清田区の温水プールができるわけでありますけれども,市内に今7館あるやに聞いておりますから,その辺の部分も含めて,ご質問をさせていただきたいと思っております。
 それと,建築から23年たっておりまして,かなり老朽化しているというふうに聞いております。
 私も何回かあの温水プールへ行って泳いだことがあるのでありますけれども,天井が落ちてきたりだとか,壁が落ちたり,なおかつ大変狭くて,更衣室だとか休憩室も形ばかりの整備かなと,こんなふうに思っております。
 この間,いろいろと改修に費用を費やしてきたということでありますが,その辺の費用の関係はどうなっているのか。
 まず,この3点についてお伺いをいたします。

◎小川 体育部長  発寒温水プールの建設の経過について,まず,お答えさせていただきます。
 委員のお話にもございましたとおり,発寒温水プールにつきましては,当時,市内には,中島プールですとか,あるいは月寒ですとか,北大にしか屋外プールがございませんでしたけれども,本市初の屋内プールとして設置したものでございます。設置年度は昭和49年と記憶しております。
 この設置場所ですが,当時,鉄工団地が発寒地区に開設されまして,まだ,発寒地区が今日のように開けているような状況にはございませんでしたし,そういった意味も含めまして,鉄工団地で働く従業員の方々の福利厚生施設といったような意味合いと,また,本市初の温水プールとして地域の方々,あるいは青少年の方々に開放する,そして,また初の清掃工場の余熱利用のプールとして設置したのが発寒温水プールでございます。
 平成7年,8年の利用状況でございますけれども,確かに築後23年経過しておりまして,老朽化も著しく,新たにできているプール,昨年は東温水プール,今月4日には清田温水プールができますが,そういった近代的なプールではございませんけれども,そこでの運営と,それから,長年地域に親しまれているといったようなこともございまして,本市全体では7年度は65万人の温水プールの利用者,あるいは8年度でも65万2,000 人という利用者があり,お尋ねの発寒温水プールは9万1,000 人,9万2,000 人といったような利用者がございます。これは,手稲温水プールに次ぎまして,2番目の利用率の高さを誇っております。
 それから,老朽化が著しいということで,施設の補修費はどうなっているかというお尋ねでございますけれども,私ども大体年間200 万円の補修費というようなことで経常的な修理に対応しております。老朽化が著しいということで,この10年ぐらいの間に,大規模修理といたしまして,プール槽の塗装でありますとか,天井から塗装が落ちるというようなこともございましたので,天井の補修,それから,余熱が地上むき出しで鉄工団地の中を走ってきておりますものですから,その管の改修ですとか,それから,蒸気管の改修等に大きなお金をかけてきているといったような現状にあります。

◆村山 委員  今,部長から答弁をいただきまして,この発寒の温水プールというのは,確かに若干でありますけれども,年々利用率が高まっているということでありますし,そういう意味では,地域や市民の方々にもかなり期待をされている施設かなと考えているわけであります。
 そこで,桂市長が今5カ年の中で,施策として打ち出しているのでありますけれども,先般,事業再評価プログラムという事業の見直し,数十項目出てきているのでありますが,これを見せていただきましたら,おかげさまで発寒温水プールの見直し延期というのが入っていなかったから,よかったなと思っていたのです。
 ただ,実は私どもが思っている年度があるわけでありますけれども,ここに大西さん,勝木さん,横山さんと,西区議員会の中でもいろいろと発寒の温水プールについては議論をして,何とか早くつくっていただきたいということで,一生懸命相談をさせていただいているわけであります。
 そんなことで,この5カ年の中で,発寒の温水プールを実質どのように手がけていただけるのかなと。そしてまた,どのように生まれ変わってくるのかなと。その時期はいつなのかなと,この辺をひとつお聞かせを願いたいなと思っておりますので,よろしくお願いをいたします。

◎小川 体育部長  建てかえの時期についてのお尋ねでございますけれども,先ほどもお話しいたしましたとおり,この施設は築後23年経過しておりまして,施設の老朽化が著しいと。
 プールですから塩素を使いますので,鉄の場合,なお一層,老朽化が著しいということもございますので,私どもといたしましては,できるだけ早い時期に建てかえを行ってまいりたいと考えているところでございます。

◆村山 委員  早いうちに建てかえをしたいということなのですけれども,本当であれば,年次もお示しを願いたかったなと思っておりますが,やるということでありますから,そのように受けとめさせていただきたいと思います。
 そこで,発寒の温水プール,前段でもお話ししましたけれども,鉄工団地の土地を部分的に借りて,そして,札幌市の温水プールという位置づけをされていらっしゃるのですが,何か風聞では,鉄工団地の協同組合の考え方としては,今,管理運営は鉄工団地協同組合でやっておりますが,そろそろあの場所を違った形で有効活用をしたいから,この温水プールを移設していただきたいというようなお話もお伺いをしております。
 それで,先ほども申し上げましたけれども,かなり老朽化も進んでおりますから,小川部長もさっきはやると言っておりましたから,この温水プールの場所をどの辺の地域にお考えになっておられるのか,その辺をまず,1点目として明らかにしていただきたいと思います。
 それから,熱源でありますけれども,今までは清掃工場の余熱を温水という形で利用されているのでありますけれども,ここの温水はどういうふうにしてやれるのか,それをまずお伺いをしたいと思っております。
 それと,私もこの温水プールにつきましては,いろいろとお伺いをしているのでありますけれども,ぜひこれはやっぱり市民の方々や,あるいはまた地域の方々に会議室,いわゆる集会的なものに開放していただけないかなと,この辺どのように考えておられるのか。
 それから,もう1点,交通アクセスはどのように想定されているのか,その辺をお伺いしたいと思います。

◎小川 体育部長  発寒温水プールの建てかえの位置についてのお話がございました。
 先ほどもお話しいたしましたように,発寒温水プールにつきましては,鉄工団地協同組合の従業員の方々の福利の意味も含めまして,鉄工団地協同組合の敷地内に当時建設したものでございますが,私ども建てかえといったようなことを検討いたしました中で,鉄工団地協同組合の方から,委員ご指摘のようなお話がございました。他の事業にというようなこともございましたので,私どもが考えておりました現在地での建てかえはできないことになりました。
 このため,私ども関係部局とも協議をいたしまして,西区の中心に近く,なおかつ交通の利便性のよい場所ということを前提にして検討を進めさせていただいたところでございます。
 そうした中で,平成11年度開業予定の地下鉄東西線・宮の沢駅の近くで,西区体育館の隣に市有地がございますので,ここを現在候補地として考えているところでございます。
 あわせて交通アクセスでございますけれども,この宮の沢駅から四,五百メートルの距離にございますので,地下鉄,あるいは地下鉄に短絡するバスの方々にとって非常にいい利用環境になろうかというふうに考えてございます。
 熱源につきましてですけれども,今まで清掃工場の余熱を利用しておりましたが,場所が移ることによりまして,西区体育館で今の熱源はガスを使っておりますので,ガスということを考えてございます。
 また,地域の方々の集会の場所としても開放できるよう考えられないかということでございます。
 私ども,温水プール設置に当たりましては,歓談コーナーを設けておりますけれども,他の温水プールと同様,使っていないときに地域の方の会議室として開放できるように考えてまいりたいと思っております。

◆村山 委員  それでは,一言だけ要望させてください。
 大体,強い決意をもって,この事業に取り組んでいただけると感じさせていただきました。
 本当に,先ほど数字的にも9万2,000 人ぐらいの方々が年間利用されているということでありますが,恐らく交通アクセスも便利になってくる,そしてまた,新しくなって,規模的にも発寒の現プールよりも立派になって大きくなるだろうと予測をしておりますから,利用者もかなりふえてくるのではないかなと思っておりますので,ぜひひとつ早期に建設をしていただけるように要望いたしまして,終わらせていただきます。

○中嶋 委員長  第2項 企画調整費中関係分等の質疑を終了いたします。
 以上で,本日の質疑を終了いたします。
 次回の委員会ですが,明日午後1時から,環境局及び下水道局関係の質疑を行いますので,定刻までにご参集ください。
 本日は,これをもちまして散会いたします。
    ──────────────
      散 会 午後4時34分